ハリルジャパンと対決!オマーン代表はなぜ「仮想サウジ」なのか

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ワールドカップ最終予選のスタートでUAEに敗れ、なんとも苦しい立ち上がりになってしまったハリルジャパン。

先月はタイに勝利、そして最強のライバルであるオーストラリアと敵地で引き分け、なんとか最低限の結果は手に入れた。

しかし、それでも今月の試合はとても重要である。首位をひた走るサウジアラビアを相手にホームで戦うということは、もはや勝利しかありえないとも言える。

幸運にも、今回予選はホームの1試合だけ。地元で親善試合を行い、これに備えることができるのだ。

その相手として呼ばれたのが、『仮想サウジアラビア』ことオマーンである。ちなみに発音はウマーンやアマーンに近く、実は卑猥ではない。いやもともと卑猥ではないのだが。ウマーンのオマーンがアマーンとか言ってはいけない。

なぜ仮想なのか?確かにサウジアラビアの前監督であるロペス・カロ氏が率いているという大きな事実があるわけだが、それ以外にも似ているところがある。

この二国は中東の中で同じような立場にある。いわば、「中東の日本」という感じなのだ。

オマーンの来日メンバーはこちらのページを参照のこと。残念ながら「アジア最高のGK」と呼ばれるアリ・アル・ハブシは入っていない。

類似点:中盤&サイドバック>前線

かつてサウジアラビアには素晴らしいエースストライカーがいた。古くはサミ・アル・ジャバー、もう少し新しくなればヤースル・アル・カフターニ、そして日本が悪夢を見せられたマレク・マーズである。

しかし、彼らが代表を離れてからというもの、ストライカーの人選には苦しんできた。その理由はクラシカルな点取り屋ナイフ・ハッザージが怪我で伸び悩み、スピードあるナースル・アル・シャムラーニがどうも代表に合わなかったからだ。かと言って国内リーグに90分頼れるFWは乏しい。

一方、オマーンもまさにFW不足の国だ。かつては「オマーンのファン・バステン」ことアマード・アル・ハースニに頼り切りで、彼がいなくなると点がなかなか決まらないのだ。そして、今回も彼はいない。

新たなエースと期待される左利きのアブドゥル・アジーズ・アル・マクバリは、技術、スピード、センスを兼ね備えるが、一方で得点能力が安定しない。

その反面、この2チームの強みは中盤とサイドバックだ。特に2列目にはタレントがおり、選手層も厚いため一人二人抜けたくらいで実力が落ちることはなく、ポゼッションサッカーに対応できる。

サイドバックはスピードと攻撃力、そして技術がある選手が多く、タッチライン際の追い越しからクロスやドリブル突破を仕掛けられる。

相手に主導権を握られれば押し込まれてしまう。そのようなシチュエーションの練習は間違いなくできるはずだ。

相違点:サイドの実力&センターバック

逆に、違うところと言えばサイドラインの個人能力だろう。サウジアラビアの2列目のアタッカーはアジアでも最高レベルだ。

圧倒的なスピードを持つファハド・アル・ムワラッド、強烈な切れが武器のナワフ・アル・アビード、天才的な左足を持つヤハヤ・アル・シーフリ。

更に右サイドの奥からはバズーカのような右足とスピードを持つハッサン・マーズ、左からはパワフルなマンスール・アル・ハルビが上がってくる。

これらの個人の高い能力はオマーンとやや差があるところだ。中心となるカーシム・サイードらがどれだけ頑張ってもサウジには全く及ばない。

また、センターバックについては両チームそれほど安定しているとはいえないが、サウジアラビアのほうがパワーとスピードの面で格段に上である。オマーン相手に点を取れるバターンも、彼らには通用しない可能性が高いだろう。

オマーンはどちらかといえば中東でもフィジカル面に優れていない国だ。シリア、ヨルダンより下、クウェートと同等、イエメンやレバノンよりは上といった感じである。ボディコンタクトというポイントではかなり相違があるとも言える。

それらを踏まえて考えれば、「主導権を握ればどちらも怖いチームだが、主導権を握るための能力に差がある」。

このようなチームを相手にしてどう2列目を封じるかというシミュレーションはできる、という結論になるだろうか。勝つか勝たないかよりも「内容」に視点を向けたい試合である。サウジアラビア戦に向けて良い準備につなげてほしいところだ。

FW:アブドゥル・アジーズ・アル・マクバリ

個人的に好きということも含めて、もはや彼が点を取らないと誰も取れないと言えるアル・マクバリを挙げたい。

ポストプレー、シュート技術、ドリブルでの持ち込み、キープ力など様々な能力に優れている。彼の場合必要なのはもはや点を取ることだけだ。ライード・イブラヒムやカーシム・サイードからのお膳立てを生かしたい。

MF:フサイン・アル・ハドゥリ

オマーンの将来を担う天才司令塔!と言われて何年経ったことか。16歳から代表に呼ばれ、17歳でアジアカップに出場し、ロンドン五輪予選で得点王。将来はどうなることかと思ったのだが・・・。

とはいえまだ26歳。ポール・ル・グエンがイード・アル・ファルシを重用したので出番を失っていたが、ロペス・カロに代わって出場機会を取り戻した。復活した「元天才」のプレーに注目したい。

MF:ライード・イブラヒム

ポール・ル・グエンが発掘したと言えるセンスあふれるMF。地味だがスマートなプレーが出来、欧州の監督に愛されるタイプだ。

ロペス・カロ監督も彼を先発起用する機会が多く、その実力は買っているようだ。表にはあまり出ないかもしれないが、彼が試合の中で重要な役割は担ってくるはず。

GK:

ファイズ・アル・ラシーディ / Faiz Issa Khadoom Al-Rushaidi
(アル・ナスル)

リヤド・アル・アラウィ / Riyadh Al-Alawi
(ジョハール)

イブラヒム・サラー・アル・ムハイニ / Ibrahim Saleh Al Mukhaini
(アル・ウルバー)

DF:

ナディール・アワド・バシール / Nadhir Awadh Bashir
(ジョハール)

アブドゥル・サラーム・アル・ムハイニ / Abdul Sallam Amur Juma Al Mukhaini
(ジョハール)

アリ・アル・ナハール / Ali Salim Obaid Bait Al Nahar
(ジョハール)

ムーアタズ・サラー・アブド・ラバー / Moataz Salah Abd Raboh
(ジョハール)

ムハンマド・ムバラク・アル・バルーシ / Mohammed Abdullah Mubarak Al Balushi
(アル・スワイク)

ムハンマド・サラー・アル・ムサラミ / Mohammed Saleh Ali Al-Musalami
(アル・スワイク)

ムハンマド・ファラージ・アル・ラワーヒ / Mohammed Faraj Al Rawahi
(ジローナB/ESP)

MF:

ムフサン・ジャハール / Mohsin Johar Al Khaldi
(アル・ナスル)

ハーリブ・アル・サーディ / Harib Jamil Zaid Al-Saadi
(アル・スワイク)

ヤシーン・アル・サイヤーディ / Yaseen Khalil Abdullah Al-Sheyadi
(アル・スワイク)

サラー・アル・ヤハヤーイー / Salah Saeed Al Yahyaei
(ファンジャ)

ジャミール・サリーム・アル・ヤーマディ / Jameel Saleem Al Yahmadi
(アル・シャバブ)

アハマド・ムバラク・カノ / Ahmed Khalid Mubarak Obaid Al Mahaijri Kano
(アル・マルキーヤー/QAT)

FW:

ライード・イブラヒム / Raed Ibrahim Saleh Haikal Al-Mukhaini
(ジョハール)

カーシム・サイード / Qasim Said Sangur Hardan
(ジョハール)

サイード・アル・ルジーキ / Said Salim Al-Ruzaiqi
(ジョハール)

サウード・アル・ファルシ / Saud Khamis Al-Farsi
(アル・ウルバー)

アブドゥル・アジーズ・アル・マクバリ / Abdul Aziz Humaid Mubarak Al-Maqbali
(ファンジャ)

サイード・オバイド / Said Obaid Al-Abdul Salam
(アル・ハブーラー)

不明:

アイマン・ジャーヒ / Aiman Darwish Dhahi
(オマーン・クラブ)