【魅力と弱点を検証!】ハイブリッド vs クリーンディーゼル乗るならドッチ?

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国産勢はマツダが主だが輸入ディーゼルは増えている

燃費のいいエコカーというと日本ではハイブリッドカー代表的な存在であるが、マツダが2012年にCX-5に低コスト化に成功したディーゼルエンジン「スカイアクティブD」を搭載して以来、“クリーンディーゼル”と呼ばれるガソリンエンジン並みの排気ガスのクリーン度をもつディーゼルエンジンへの注目も高まっている(ディーゼルエンジンへの注目の高まりはフォルクスワーゲンの排気ガスの不正問題という事件による部分も影響しているが)。

マツダのスカイアクティブDの登場以来、クリーンディーゼルはマツダ以外の日本車ではそれほど搭載車種は増えていないが、輸入車ではベンツ、BMW、プジョー&シトロエン、ボルボと搭載車種はドンドン増えており、クルマを購入する際にはユーザーがライバル車のハイブリッドとディーゼル、同じクルマのハイブリッドとディーゼルで迷うケースも増えつつある。

そこで今回はハイブリッドとクリーンディーゼルそれぞれの魅力、弱みについて考えてみよう。

■ハイブリッドカー

●魅力

…禀蕾抻の燃費の良さ

モーターによる発進時を含めたEV走行、モーターによる加速の際のアシストがあるハイブリッドカーはとくに市街地のようなストップ&ゴーが多く場面や、スピードの低い走行パターンの燃費は有利だ。

市街地といえばハイブリッドカーのエアコンのほとんどは家庭用のエアコンのように走行用バッテリーの電力で駆動する電動のエアコンであるため(エンジン車のエアコンはエンジンの力を使って駆動している)、ミニバンのように広いキャビンでなくかつ気温が30℃程度までであれば、エアコンを使いながらの停止中でもアイドリングストップが長く続くことも低負荷時の燃費の良さに貢献している。

∩りのスムースさ

この点はクルマによる違いも大きいが、ハイブリッドカーはトヨタ車、最近登場した日産ノートのe-Power、ホンダアコードやオデッセイ、三菱アウトランダーPHEVなどトランスミッションを持たないモデルも多く、そういったクルマであればトランスミッションがないだけに電気自動車のようにストップ&ゴーも静かでスムース。そのためとくに市街地、渋滞中の運転が楽である。

●弱み

々睇蕾抻の燃費の低下が大きい

高負荷というのは速いスピードで走る、人や荷物の量と重さ、上り坂といった要素に加え、そのクルマ自体の車重や空気抵抗の大きさなども含まれるのだが、モーターやバッテリーを積むハイブリッドカーは同クラスの全体的にガソリン車やクリーンディーゼルに対し車重が重いこともあり、高負荷時にはエンジンの負担が大きくなり燃費も低下しがちだ。

EV走行から加速する際のレスポンスが悪い

これはクルマによる違いも大きいのだが、EV走行中に追い越し加速や危険回避のためアクセルを深く踏んだ際、強い加速を得るために当然エンジンも始動する必要がある。その際にはエンジンを始動する時間に加え、エンジンがパワーを出す、トランスミッションのあるハイブリッドカーではシフトダウンを行うという時間も必要になるため、EV走行から加速体勢に入るまでのレスポンスが悪くなりがちだ。

絶対的なスピードが出ない

法定速度が100/hの日本ではそれほど関係のない話だが、燃費を重視したハイブリッドカーのエンジンはそれほどパワーがない上に前述したようにハイブリッドカー自体の車重が重いケースが多いこともあり、ドイツのアウトバーンのような絶対的な最高速も必要とされる走行パターンでは「動力性能が足りない、遅い」というネガティブな評価を受けている。この点がヨーロッパでトヨタプリウスが今一つ売れていない大きな要因だ。

■クリーンディーゼル

●魅力

‘偉論能の高さ

ディーゼルエンジンは高回転域こその伸びこそないが、中低速域のトルクが非常に太く、日常的、常識的な使い方でも力強い加速を味わえる。

高負荷時の燃費の低下が少ない

力強さが特徴のディーゼルエンジンは前述した高負荷時の燃費の低下が少ない。ハイスピードで走ることが多いヨーロッパでハイブリッドカーよりクリーンディーゼルが支持されているのはこの点が大きな理由だ。

●弱み

…禀蕾抻の燃費の優位性はそれほどではない

クルマによる違いも大きいが、当然ながら燃料を使わないEV走行ができない、ハイブリッドカーのような電動エアコンを使えないクリーンディーゼルの市街地の燃費はハイブリッドカーに劣る。

またクリーンディーゼルには黒煙の原因になるススを吸収するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)が付いており、DPFは中身が一杯になると高温になったDPFに軽油を吹きかけ燃やすという形で再生を行う。そしてそのサイクルは、市街地走行に代表される負荷の小さい走行パターンが多いと短くなる。軽油を使うDPFの再生の際には燃費が落ちるため、負荷の小さい走行パターンが多いと結果的に燃費が落ちる悪循環が起こる。

さらにクリーンディーゼルは低負荷の走行が多く続くとエンジン内部に煤が溜りがちで、煤が溜ると場合によってはエンジンの調子を崩すというケースもあり(9月に発表されたマツダがデミオ、CX-3、アクセラに搭載される1.5ℓのスカイアクティブDのリコールが象徴的だ)、このことは低負荷時の燃費と関連性がある。

⊃尭亜∩音の大きさ

現在のクリーンディーゼル車であれば走行中の車内騒音がうるさいということほとんどなく、車内騒音に関してはむしろ「ディーゼルの方が心地いい」という人もいるほどだ。しかしかつてのディーゼル車に比べれば劇的に改善されているにせよ、車外騒音とアイドリング中の騒音はガソリン車やガソリンエンジンを積むハイブリッドカーに比べ大きいのは否めない。

このためクルマによっては深夜に帰宅した際の車外騒音が大きい、市街地でアイドリングストップしなかった際のアイドリング中の振動が気になるというケースもある。

■まとめ

ここまで挙げた要素を総合してハイブリッドカーとクリーンディーゼルそれぞれの向いた使い方、使用パターンは

ハイブリッドカー:市街地に代表される負荷の小さい使い方が多い人

クリーンディーゼル:高速道路のような負荷の大きい使い方が多い人

とまとめられる。

またハイブリッドカーとクリーンディーゼルの向き不向きについてはクルマのジャンルによる部分も大きく、こちらも大まかにまとめると

ハイブリッドカー:車重1500堊宛紊泙任廼気抵抗が少ないクルマ=コンパクトカー、プリウスなどのミドルクラス

クリーンディーゼル:車重が1500圓鯊腓く超える車、空気抵抗が大きいクルマ=ミニバン、SUV全般

なお「ハイブリッドカーとクリーンディーゼルのどちらが向くか?」というボーダーラインは例外も多々あるが、日本車でいえば燃費を重視したハイブリッドカーであるトヨタクラウンやホンダアコード、クリーンディーゼルを積むマツダアテンザといったモデルが揃うラージセダンあたりだろう。

ちなみにそれぞれの長い目で見た収支決算に関しては、ハイブリッドのトヨタアクアとクリーンディーゼルのマツダデミオといった同クラスの日本車同士であれば購入時の費用、燃料代が主となるランニングコスト(クリーンディーゼルは軽油の安さが追い風だ)ともに同等というケースが多い。

(文:永田恵一)