武田 真優子 / つむぎペットケア

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■「うちの子、夜泣きがすごいのよ。認知症なのかねぇ??」

この飼主さんには、16歳の高齢犬と暮らしています。

右後肢をひきずるようにして歩いており、時計回りにぐるぐると部屋の中を移動しています。あちこちにぶつかってしまうので、ケガをしてしまいそうな角はすべてダンボールで覆っています。最近、夜鳴くようになり認知症なのかもしれないと、ご相談がありました。幸いに、夜鳴いてしまってもご近所さんには迷惑にならないような大きな家なので、そこは飼主さんも安心されています。


■夜鳴きをするときにチェックしてほしい4つのこと

「認知症だから、夜鳴きをする」は当てはまりますが、「夜鳴きをするから、認知症である」は、必ずしも当てはまりません。夜鳴きは、結果であり原因がさまざまあるのです。ここで、4つのチェック項目を記します。

1)昼夜逆転が起きていないか

2)お腹は痛くないか

3)他に痛みはないか

4)食事を変えたり、サプリメントを与えて改善が見られるか


▶ 1)昼夜逆転が起きていないか

ヒトもイヌも、脳の松果体から出る睡眠ホルモン「メラトニン」が、自然な眠りを誘う作用を持っています。このホルモンが体内時計である視交叉上核に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えます。

朝、光を浴びると体内時計がリセットされ、体は活動状態になります。メラトニンは目覚めてからおよそ12〜13時間後から再び分泌されはじめ、メラトニンの作用で眠気を感じるます。このメラトニン分泌に必要な光は、太陽光だけではなく、蛍光灯でも起こります。つまり、あなたのうちの子が目覚めたときが真夜中だった場合、昼頃に目覚めることになります。これが「昼夜逆転」です。

もし、うちの子がこのような状態になっている場合は、

●就寝の記録をとる

●暖色蛍光に変える

ことを、お勧めします。


▶ 2)お腹は痛くないか

痛みを訴えるときも、イヌやネコは鳴きます。老齢犬になると、消化吸収の機能が衰え、ガスがお腹にたまりやすくなります。そのガスが、腹痛の原因となってしまうのです。便が出ていても、レントゲン撮影をすると、便秘となっていることがあります。


もし、うちの子が便秘になっている場合は、

●毎日十分に水分を取らせる

●腸を刺激できるような食事を与える

●適度な運動をする


ご自分でされることに迷いがあるときは、一度かかりつけの動物病院に相談されるとよいでしょう。


▶ 3)他に痛みはないか

お腹以外に痛みがないかをチェックしましょう。

例えば、口の中。高齢になると、多くのイヌ・ネコでは歯石がつき、歯肉が傷んでいます。また、高齢動物は背骨や関節が痛むことが多いです。痛みで座れず、部屋の中を歩き続けて寝られない場合もあります。このような場合は、痛み止めを飲むと眠ることができます。一度かかりつけの動物病院に相談してみることをお勧めします。


▶ 4)食事を変えたり、サプリメントを与えて改善が見られるか

うちの子に必要な量の食事を与えたり、食べやすい形に変えたり、必要なサプリメントを与えることで、症状が落ち着くことがあります。


■単なるワガママの可能性も

今までお話しした4つのチェック項目を改善しても、昼夜問わず鳴き続けるようであれば、単なるワガママの可能性もあります。いわゆる「欲求吠え」です。その際は、うちの子と適宜距離を取ることも大事なことです。


■介護には絶対はない

介護方法は、絶対にこうすべきというものはありません。なぜなら、そのご家庭やうちの子をとりまく環境、うちの子の体の状態によって、変わってくるものだからです。

つまり、介護はうちの子に合わせ、試しながら組み合わせるものです。それゆえ、この記事に書かれていることが、ぴったりと当てはまらないケースがあります。その際は、まずは、かかりつけの動物病院にご相談ください。