写真提供:マイナビニュース

写真拡大

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月10日、日本ゼオンがスーパーグロース法を用いたカーボンナノチューブ(SGCNT)とゴムを複合した高性能なシート系熱界面材料(TIM)の開発に成功したと発表した。

TIMは、近年の高性能化や高密度化が進むサーバやパワーデバイス中の半導体チップと放熱部材の間に挟み込む材料で、従来はグリース系が主に用いっれてきた。しかし、グリース系TIMは、均一に塗布しにくいなどの作業性・信頼性での問題があるため、これら問題を改善できる新たなシート系TIMが求められていたという。

今回開発されたシート系TIMは、SGCNTを活用した熱伝導パス形成による高熱伝導化、ならびに少ないSGCNT量での熱伝導パス形成を可能とした事で、シートながらグリース系TIMより優れる低熱抵抗0.05℃/Wを実現。また、添加するSGCNTおよび黒鉛の量と形状によって、SGCNT網目構造を骨格とした黒鉛による熱伝導パスを形成し10〜100W/m・Kの範囲で熱伝導率を調整することが可能であることを確認したほか、配合技術の工夫により高い柔軟性の維持が可能となり、0.1MPaの低圧力下でも良好な密着性を実現したとする。

なお、このシート系TIMを用いることで、半導体の組立工程の簡易化や生産性向上などの効果が期待されるようになるとしており、今後の需要拡大を見込み日本ゼオンでは、同TIMの量産に向けたパイロットプラント建設を進め、12月に竣工させる予定としている。

(小林行雄)