背景には不安げな表情を
浮かべる被験者たちが (C)2014 Experimenter Productions,
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 ナチス・ドイツのホロコーストを断罪した“アイヒマン裁判”(1961年4月)の後に、人間が持つ残虐性を明らかにした実験を描く映画「アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発」が、2017年2月25日から公開されることが決定した。

 「アイヒマンは職務に徹する平凡な公務員だった」と判明した裁判から、「一定の条件下では、誰であろうと残虐行為に手を染めるのでは」という疑念を抱いた社会心理学者スタンレー・ミルグラム博士によって、61年夏に米イェール大学で行われた同実験。人間が権威に服従するメカニズムに迫り、当初の予想を凌駕する実験結果が世界中に破門を広げた。このほど公開されたポスタービジュアルには、「人はどこまで残酷になれるのか―。」というコピーが躍り、同実験の内容を象徴する仕上がりとなっている。

 物語は、電気ショックを用いた実験方法を学会から非難されながらも、人生をかけて人間社会のタブーに挑んだミルグラム博士の姿が映し出される。「ハムレット」「アナーキー」のマイケル・アルメレイダ監督がメガホンをとり、「マグニフィセント・セブン」「ブラック・スキャンダル」のピーター・サースガードが主演。さらにウィノナ・ライダーや、今年急逝したアントン・イェルチンさんら豪華な面々が共演している。

 また、「A」「A2」「FAKE」などで知られるドキュメンタリー監督の森達也と、中部大学の武田邦彦教授が今作にコメントを寄せた。森監督は「邪悪で狂暴だから殺したのではない。凡庸で普通の人間だからこそ、時には人を大量に殺すのだ」と述べ、武田教授は「ミルグラムの業績は、それが余りに正しく、奥深いためにまだしばらく社会は受け入れられないだろう。でも、事実を事実として認めた者から先に人生は透明になる」と語っている。

 「アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発」は、17年2月25日から東京・新宿シネマカリテほか全国で順次公開。