<トランプ勝利の選挙結果に反発して全米各地の都市で抗議デモが起こり、数万人規模の人々が街頭で「反トランプ」を叫んだ。また大学や高校では予定していた試験を延期するなど、動揺する少数派学生への配慮を見せている>(写真:サンフランシスコの抗議デモで「わたしの大統領ではない」のサインを掲げる参加者)

 米大統領選でドナルド・トランプ候補が勝利し、次期大統領になることが決まった9日。全米の少なくとも9つの都市で選挙結果に抗議するデモが起こり、数万人規模の人々が街頭に出て「反トランプ」を叫んだ。

 USAトゥデ―などの現地報道によると、トランプ勝利に反発する抗議デモが起きたのは、シカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルス、フィラデルフィア、ボストン、ワシントン、ポートランド(オレゴン州)、セントポール(ミネソタ州)など全米各地の都市。

 このうちシアトルでは、およそ2000人が街頭に出てデモ行進し、「Not My President(わたしの大統領ではない)」「No Racist USA(アメリカを人種差別の国にするな)」と、口々に怒りをぶちまけた。シアトル警察によると、デモの現場近くで銃の発砲があり、デモとの関連を警察で捜査している。

 またワシントンでも、人々が街頭で「Nasty Women Fight Back(イヤな女たちは反撃する)」とか「White Males for Equality for All(白人男性はすべての人々の平等を支持する)」といった掛け声と共にデモ行進した。ワシントンでは、2つのデモ隊が街の中心部にある「トランプ・インターナショナル・ホテル」の前で合流して大きな群衆となり、「Impeach Donald Trump(ドナルド・トランプを弾劾せよ)」と叫んでいた。

(ワシントンのトランプホテル前に集まった群衆)


 こうしたデモに参加した人たちは、選挙結果が覆らないことは理解しているものの、それでも今後の展開には影響を与えることができると考えているようだ。ニューヨークのデモに参加した22歳のニューヨーク大学の男子学生は、「最後には弾劾のチャンスがあると思う。これから8年、トランプに大統領をやらせることはできない」と、話していた。

(マンハッタンのユニオンスクエア周辺で行われた抗議デモ)


 また全米各地の大学や高校では、選挙結果に動揺する教員や学生に配慮して、予定していた試験の実施を延期したり少数派の学生のためのシェルターを開設したりしている。

 バーモント大学のトム・サリバン学長は大学関係者に送ったメールの中で、「今は多くの同僚や学生にとって試練の時だ。選挙結果を受けて、多くの人々が孤立を感じたり、これからの生活に不安を抱いたりしている」というメッセージを送った。

(カリフォルニア州オークランドの抗議デモでは放火騒ぎも)

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部