8日、華字紙・日本新華僑報は、校内のいじめがすでに日本の“不治の病”になっていると指摘した。写真は教室。

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2016年11月8日、華字紙・日本新華僑報は、校内のいじめがすでに日本の“不治の病”になっていると報じた。

8月19日、青森県東北町で中学1年の男子生徒が自殺した。男子生徒は「いじめがなかったら、もう少し生きられた」と遺書につづっていた。母親によると、6月ごろから「学校に行きたくない」「死んだ方がいい」などと口にしていて、学校側にも相談していた。記事は、「いじめを苦にして若くして自らの命を絶ってしまう事件は、日本社会の反省を呼び起こすが、この問題は改善に向かうどころかますます深刻になっている」と指摘する。

文部科学省が先日発表した報告で、15年に全国の小中学校で起きたいじめが、前年に比べて3万6000件以上増加し、過去最高の22万4540件に達したことがわかった。このうち、9人の子どもが自殺している。日本政府はいじめの問題についてさまざまな対策を講じているが、数字を見る限り効果を発揮しているとは言い難い。では、いじめがなくならない原因は何なのか。

記事がまず挙げたのが、インターネットの普及によりいじめの形が多様化していること。携帯電話を使ったいじめはエスカレートしていく傾向にあるといい、「科学の進歩とともに、伝統的ないじめ対策は効果を発揮しづらくなっている」と指摘した。

次に、弱肉強食の理論。記事は、「日本は開国以降、この考え方が主流になり、社会には『強者が弱者を淘汰するのは当然』という意識が形成され、現在でもほとんど変わっていない」と指摘。日本の学校で、成績や運動神経が悪い子どもが自然といじめの対象になるのは、こうした文化的背景があると分析する。

三つ目が、仁愛教育の欠落。「日本は中国に学んだ時に、“忠勇(忠義と勇気)”ばかりを重んじ、“仁愛(慈愛)”の精神をないがしろにした」とし、仁愛が欠落していることで、日本社会では他人の間違いに寛容になることができない。過ちを犯した武士が切腹するのも、それが関係しているという。

そして最後が、家庭と学校の責任の押し付け合い。「日本では多くの家庭が子どもを学校に任せきりになっている。一方、学校は学校で、家庭での教育こそが前提だと考えている。政府は、いじめの問題を解決するには学校と家庭が重要だと考えている。そのため、子どもに問題が起きた時、それぞれが責任を押し付け合い、問題解決が遅れる」と指摘した。

記事は、これら技術、文化、教育、体制の四つの原因が根本にあるとし、「いじめはスローガンや条例を作っただけで解決できるようなものではない。政府、家庭、学校、社会など、それぞれがさらに精力を傾けて取り組まなければ、完全にコントロールを失うことになる」と警鐘を鳴らしている。(翻訳・編集/北田)