A代表で見てみたいと思わせる選手はいたかな?と語るセルジオ越後氏

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2020年東京五輪の中核を担う世代がやってくれたね。

U−19日本代表が、バーレーンで開催されたU−19アジア選手権決勝で、サウジアラビアをPK戦の末に破り、初優勝した。

今大会の上位4チームにはU−20W杯(来年5月〜・韓国)の出場権が与えられる。日本は過去4大会連続で出場を逃していただけに、まずはひと安心。先月、U−17W杯の出場権を獲得したU−16代表に続いて明るいニュースを届けてくれた。

このチームの勝因は堅い守備。それに尽きる。全6試合で無失点。全員がハードワークし、局面での数的優位をつくってボールを奪う。日本らしい、よく組織された守備を見せた。

なかでも目についたのが、センターバックふたりの働きぶり。中山(柏)は冷静でミスがほとんどなく、チームに落ち着きをもたらした。一方、冨安(福岡)は粗削りながら高さがあり、対人プレーで強さを発揮。実にいいコンビだったね。ほかの選手たちと違って、ふたりともJ1でレギュラーを張っているだけのことはある。今大会でさらに自信をつけただろうし、まだまだ伸びる可能性がある。

今回の結果は素晴らしいけど、厳しいことを言えば、選手や関係者にはこれで満足してもらっては困る。組み合わせに恵まれた面もあったし、決勝のサウジ戦、グループリーグのイラン戦は得点を奪えず、攻撃面では課題を残した。何よりアジアはあくまで通過点。問題は世界でどこまで戦えるかだ。

例えば、リオデジャネイロ五輪代表もアジア予選では優勝したけど、五輪本番では歯が立たず、早々とグループリーグで敗退している。その失敗を繰り返してはいけない。

この世代には、アジア王者としてU−20W杯本番でグループリーグを突破して、1試合でも多くプレーしてもらいたい。大舞台での経験は選手を大きく伸ばすからね。少なくともアジアのほかの出場国よりもいい成績を残さなければいけない。

そのためには、強化試合や海外遠征を行なうなど、日本サッカー協会が積極的な“投資”をする必要がある。東京五輪に向けて、僕はここがお金の使いどころだと思う。

もちろん、所属クラブでの選手個々のレベルアップは大前提。世界を見渡せば、19歳はA代表に入っていてもおかしくない年齢。今年のEURO(欧州選手権)で優勝したポルトガルは、18歳のレナト・サンチェスが大活躍していた。さらに言えば、以前は日本にもそういう選手がたくさんいたよね。(中村)俊輔や小野、香川や内田も10代でA代表入りを果たしている。

でも、今回のU−19代表にヒデ(中田英)や高原のような期待感を持てる選手はいたかな? 今すぐA代表で見てみたいと思わせる選手はいたかな? 大会MVPを獲得した堂安(どうあん・G大阪)にしても、面白い選手ではあるけど、G大阪では出場機会が限られているのが現実。19歳は決して若くない。“まだ19歳”じゃなくて、“もう19歳”。そんな危機感を持って、まずは所属クラブで確固たる地位を築いてほしい。

ただ、残念ながらJリーグはシーズン終盤で、実戦を積む機会は年明け以降までほとんどない。だからこそ今、協会の組織的かつスピードのある強化策が求められると思うんだけど、果たして、どこまで考えているのかな。気になるところだね。

(構成/渡辺達也)