米大統領でトランプ氏が勝利したことについて、有力外交専門家は「ソ連崩壊以上の大きな変化が起きる」と指摘。日中双方にウインウインの関係を構築する努力を求めた。資料写真。

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2016年11月10日、米大統領に共和党候補のドナルド・トランプ氏が民主党候補のヒラリー・クリントン前米国務長官を破ったことについて、有力外交専門家はグローバル化に対する反発の声が高まり所得格差が拡大していることに反発したもので、ソ連崩壊以上の大きな変化が起きる」と指摘。2050年に9500万人規模となる日本は「中国と共存し、中国のパワーを取り込んでいく必要がある」とし、日中双方にウインウインの関係を構築する努力を求めた。

米大統領選挙結果はグローバル化に対する反発の声の高まりが背景。職が奪われ所得格差が拡大していることに反発したものだ。ソ連崩壊以上の大きな変化が起きてくる。保護主義の流れができ、環太平洋連携協定(TPP)は批准されず、成立は困難となった。米国の「アジア回帰戦略」が崩壊したと言え、日本に与える影響は大きい

2050年には日本の人口は9500万人に減少する。一方で同年には中国の国内総生産(GDP)は日本の10倍に拡大する。日本は中国と共存し、中国の市場を活用しなければ生きていくのは難しい。経済と安全保障を切り離して、中国のパワーを取り込んでいく必要がある。日中双方はウィンウィンの関係を構築する努力が欠かせない。

中国は所得倍増計画(10年間)の達成、構造改革、環境汚染対策など解決しなければならない。6%台の経済成長が確保できなくなれば、民衆の反発や権力闘争が起きかねず、対外強硬論に傾く恐れがあり、日本にとってリスク要因となる。

日本は、国家資本主義を推進する中国主導の世界体制にしたくないが、中国をけん制するためにロシアに近づくのは問題がある。北方領土問題が解決されるか不明だ。アベノミクスは基本的には外需に期待しており、トランプ政権の登場で厳しいものになるだろう。(八牧浩行)