売上2兆円突破の爆買いセール、中国「シングルデー」の破壊的威力

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中国のアリババが初めてオンラインセールを実施したのは2009年の11月11日、参加したのはわずか27店舗だった。その後、アリババはマーケティングを駆使し、物流チェーンを整え、11月11日を世界最大のECショッピングの祭典に育てた。

11月11日は1(シングル)が並んでいることから、中国では古くから「独身の日」と呼ばれおり、欧米では近年「シングルデー」との呼び名で認知度を高めてきた。

西洋ではオンラインのメガセールと言えばブラックフライデー(11月の第4金曜日)か、その翌週のサイバーマンデーが有名だが、今後はシングルデーにも注目すべきだ。そこにはO2O(オー・ツー・オー)や越境EC、デジタルマーケティング等、Eコマースのイノベーションが満載だからだ。ここではシングルデーについて知っておくべきことを紹介する。

今年は売上2.2兆円突破の可能性

2015年、アリババのシングルデーの売り上げは140億ドル(約1.5兆円)を超えた。その額は米国のブラックフライデーとサイバーマンデーの合計の販売額、58億ドルの倍以上だ。アリババの中国のECサイトには数百万の店舗が出店し、利用者は4億4,000万人に達する。筆者の予測では今年は210億ドル(約2.2兆円)を突破すると見ている。アリババに匹敵するプラットフォームは世界で他にない。

ケイティ・ペリーをイベントに起用

中国でショッピングは単なる取引ではなく、イベントだ。アリババは今年、スーパーボウルのプロデューサーとして有名なディヴィッド・ヒルを米国から招き、11月10日の夜から盛大なカウントダウンイベントを開催する。イベントの目玉にはケイティ・ペリーが登場し、韓国や台湾のバンド、ドイツのサッカースターのトーマス・ミュラーも駆け付ける。ダニエル・クレイグが登場した昨年のイベントの中国での視聴者は1億人を超えた。

そしてシングルデーの本来の目的も見落としてはいけない。消費者マーケットが世界で最も急成長している中国で、最も成長目覚ましいチャンネルがECだ。シングルデーは中国人消費者に新商品やブランドを紹介する大きな機会だ。シングルデーに特化した商品を用意したり、ライブストリームでコンテストやテレビショーを行うブランドもある。

海外ブランドの出品も増加

シングルデーはグローバル取引のチャンネルとしても存在感を高めている。シングルデーのセールは消費者とブランドを結ぶだけではなく、中国と世界をつなぐ。アリババのB2CマーケットプレイスTmallは、香港の地下鉄にシングルデーの広告を掲示するなど、台湾と香港でも浸透を図って来た。既にシングルデーの売上の10%は、海外から出品されたブランドによるものだ。

一ヶ月間に及ぶ大イベント

シングルデーに向けたプロモーション活動は10月から行われている。ブランドはこの期間に口コミを広げ、マーケットを拡大するために精力的に動く。シングルデーはショップと消費者の双方のためにある。

VRショッピング等のイノベーションも

シングルデーにはEコマースのイノベーションも満載だ。アリババはこの期間に合わせ、ポケモン GOのようなARゲームをリリースする。そこではTmallのマスコットの黒猫が登場し、ユーザーたちは猫を追いかける。

また、今年はスマホとVRヘッドセットを使って、ニューヨークのリアル店舗で買い物しているような体験を得られるVRショッピングも目玉企画となっている。服やコスメを画面上で試すことができるモバイルアプリも用意されている。