Doctors Me(ドクターズミー)- 咳止めの薬は簡単に使うべきじゃない? 意外な落とし穴を知ろう!

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つらい咳に悩まされることってありますよね。できるなら薬を飲んで、早く治したいものです。

ですが咳には大切な役割があり、本当は止めるべきではないってご存知でしたか?

今回は咳の役割や咳止めの成分・効果について紹介していきます。

要チェック項目


□咳には重要な役割が! 安易に薬を使うべきではない!?
□咳を止めてくれるのは中枢性鎮咳成分! でも喘息の人は要注意!
□咳の種類によっても有効な成分は違う!

咳の役割とは

まずは少し咳の役割について説明しておきましょう。咳というのは、鼻や口から異物が気道に入ってしまった時、反射的に行われる行為です。異物とはウイルスや病原菌などですね。

これらが気道に入ってくると、脳の延髄にある「咳嗽(がいそう)中枢」という部分から信号が出て、自分の意思とは無関係に咳が出るようになっています。

つまり、咳は体の防御反応ということになります。となると、咳止めの薬というのは使うべきなのでしょうか?

咳を薬で止めてしまうと、逆そのまま異物を体内に取り込んでしまうという可能性もあるというのは事実です。なので安易に使ってしまうのはあまりよくありません。

激しい咳のために夜眠れなくなってしまったり、ひどい咳のために仕事に支障をきたしてしまうかもしれない。

そういったやむを得ない事情がある場合、一時的に痛みを緩和するために使うくらいにとどめておくのがいいでしょう。また咳があまりにも長引くときは、医療機関への相談も忘れずに。

咳を止めるための成分

咳を止めるための成分は「中枢性鎮咳(ちんがい)成分」といわれ、鎮咳中枢に働きかけて咳を止めていきます。

そしてこの中枢性鎮咳成分は大きく分けて「麻薬性鎮咳成分」と「非麻薬性鎮咳成分」の2つに分類することができ、それぞれの特徴は以下の通り

麻薬性鎮咳成分


非常に高い咳き止め効果を持っているのですが、モルヒネと似た構造をしており、弱いものの若干の依存症があるため、長期の服用はおすすめされていません。

副作用として便秘や眠気などがあることにも気を付けてください。また母乳にも移行するため、授乳中の服用も避けましょう。

麻薬性鎮咳成分は「リン酸コデイン」や「リン酸ジヒドロコデイン」が代表的です。

注意点は、特に喘息を患っている方はこの麻薬性鎮咳成分が入った薬は絶対に服用しないでください。

麻薬性鎮咳成分である「リン酸コデイン」や「リン酸ジヒドロコデイン」には、気道の分泌を抑制してしまう効果があるからです。

もともと喘息には無色透明の痰が喉から分泌されています。コデインによってその分泌を抑制されてしまっても、本来分泌されるはずだった痰がなくなるわけではありません。

ではどうなるかというと、それらは濃度を上げて少量で分泌され、非常に粘度が高い痰になってしまうのです。

するといくら咳をしても痰が切れることがなくなってしまい、その結果喘息が余計に悪化してしまうことに…。もちろん普通の咳に対しては高い効果を発揮してくれます。

薬を飲んでしばらくすると、スッと喉が楽になるでしょう。ですが、喘息の方は絶対に麻薬性鎮咳成分の入った薬は服用しないでください。

非麻薬性鎮咳成分


麻薬性鎮咳成分と同様に、延髄にある咳中枢に作用して咳を収めてくれます。麻薬性鎮咳成分と比べ効果は低いものの、依存性はなく、副作用の少ない安全な成分です。

代表的な成分には「ノスカピン」「デキストロメトルファン」「チペピジンヒペンズ酸塩」などがあります。

痰を取り除いた気管支を拡張する成分

また咳き止めの薬には、咳を止める成分以外にも痰を取り除いてくれる成分や気道を広げてくれる成分なども含まれています。咳の種類によってはこちらの成分も大切になるので、紹介しておきましょう。

去痰成分


その名の通り、喉にからんだ痰を取り除きやすくしてくれる成分です。

気道から分泌される粘膜の分泌を増やし、痰の粘りを薄めることで痰を切れやすくしてくれたり、あるいは痰の中の粘性たんぱく質に作用し、粘り気そのものを減少させて痰を切れやすくしてくれたりします。

前者は「グアイフェネシン」、「グアヤコ―スルスホン酸カリウム」、「塩酸ブロムヘキシン」、後者は「塩酸エチルシステイン」、「塩酸メチルシステイン」、「カルボシステイン」などが代表的です。

気管支拡張成分


こちらも文字通り、気管支を拡張させる成分です。気管支を拡張して呼吸を楽にすることで、咳をやわらげてくれます。喘息にも効果があるので、喘息の方はこちらを利用しましょう。

ただし血圧や心拍数、血糖値が上昇することがあるので、高血圧や心臓疾患、糖尿病などの持病がある方は注意してください。

この効果を持つ成分としては「メトキシフェナミン塩酸塩」「メチルエフェドリン塩酸塩」「ジブロフィリン」「テオフィリン」などが代表的です。

咳によって有効な成分が違う!

ここまで薬の成分を紹介してきましたが、先ほども説明した通り咳の種類によってどの薬が有効なのかが少し変わってきます。

乾性咳嗽


コホッ…コホッ…という乾いた咳が出るのが特徴です。痰を伴わないので、咳も乾いたものが出てきます。こういった咳の場合は、アトピー咳嗽や胃食道逆流症、喉頭アレルギー、間質性肺炎などが考えられますね。

これらには中枢性鎮咳成分を含む薬が有効です。ただし咳喘息の場合も考えられるので、その時は気管支拡張作用のある薬の方がおすすめです。

湿性咳嗽


ゴホゴホという喉に何かが絡まっているような咳をしている時は、風邪や気管支喘息、気管支炎、肺炎などが考えられます。痰が絡まっていることが多いので、去痰成分が含まれている薬を飲むのがいいですね。

薬を使わない咳き止めの方法

最後に薬を使わない咳き止め方法を紹介しておきましょう。やはりできるなら薬は使わない方がいいものですから、軽い咳ならこれらで対処していきたいところです。

加湿器を使う


咳をすると喉が乾燥しやすくなりますし、喉が乾燥すればさらに痰が切れにくくなります。そこで部屋の湿度が60~80%程度になるまで加湿してあげると、痰が取れやすなり咳も和らいでいくというわけです。

加湿器自体はそれほど多機能、高額なものでなくても構いません。しっかりと部屋を加湿してくれるものを選びましょう。

冷たい水を飲む


冷たい水を飲むことで、粘り気のある鼻水や痰がサラサラの状態となり、取り除きやすくなります。これら抑えることができれば、咳本来の仕事は無くなってしまいますから、咳も次第に和らいでいくでしょう。

ただし一気に飲むのではなく、ゆっくりと少しずつ飲みましょう。

風邪をひいたときは温かい飲み物の方がいいというイメージもあるかと思いますが、実は痰や鼻水に対しては冷たい水の方が有効です。

交感神経を活発にして気管支が開きやすくなり、痰も取れやすくなっていきます。十分に水分を補給すれば、そのうちサラッとした痰がでてくるでしょう(もちろん温かい飲み物も、喉の保湿には有効です)。

枕を高くする


横になっているとついつい気道が狭くなりがちです。しかし枕の下にクッションを敷くなどでして枕を高くし、上半身を起こした状態にすると、気道が確保され呼吸も楽になります。

さらに鼻水の流れもスムーズになるので、より咳症状を抑えることも可能です。

自分に合った薬を選ぼう

いかがだったでしょうか。やはり咳き止めの薬は飲むべきではないのですが、仕事などの事情でそうはいかないこともあるでしょう。

そういった時には、成分などに十分に注意して、自分の状態にあった薬を選びましょう。

もちろん症状がひどい場合は医療機関への相談もお忘れなく。

(監修:Doctors Me 医師)