Doctors Me(ドクターズミー)- 大切な人の心が病んでしまったら…うつ病の人との正しい接し方3つ

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以前、「ツレがうつになりまして」という配偶者がうつ病になってしまう映画が公開されましたが、うつ病というのは本人だけでなく周囲の人間にとっても大きな事件です。

身近な人がうつ病になった時、周りはどう接したら良いのでしょうか。ポイントごとに解説していきます。

要チェック項目


□うつ病はれっきとした病気であり、心の弱さなどと断じるのは間違い
□接し方はポジティブに、そして孤立させないことが大切
□うつ病は決して治らない病気ではない

うつ病とは

心の病気であるが故に誤解されがちですが、うつ病の実態は極めて深刻ですので決して軽んじるべきではありません。

そもそも「うつ病」とはどういった病気なのか、皆さんはご存知でしょうか? 今回はその解説から始めたいと思います。

うつ病の病態


喜びや意欲といった感情を示さない抑うつ状態がほとんど一日中、ほとんど毎日続きます。

食事制限などのダイエットをしていないのに体重が月に5%単位で減少し、睡眠は著しい過眠または不眠となります。

体を動かしがたい程の疲労感や全て自分が悪いかのような罪悪感に襲われ、辛さの余り自殺を口にするようになることもあります。

うつ病の原因


うつ病を発症する原因の究明は仮説段階であり、社会的または心理的、生物学的な作用により複合的に発症するとされていますが、現在までに確かなことは分かっていません。

ただし、いずれにせよ周囲の環境や内分泌の影響など、本人では如何ともしがたい事柄によって発症するため患者を責めることは絶対に間違っているということだけは言えます。

うつ病による死亡


心の病気と呼ばれるためにうつ病は命に関わらない、つまり大したことのない病気だと考える人が少なくありません。

しかし、日本人だけで考えても2015年のデータで年間2万人以上が自殺で亡くなっており、その中の多くがうつ病であったと推計されています。

一説には自殺者の内4割以上もの人がうつ病であったというデータもありますから、うつ病は命に関わる重大な病気であると言えるでしょう。

うつ病患者との接し方1:ポジティブ

うつ病は大変な病気であり、そのため患者の周囲に居る家族や友人も大きな苦労を迫られます。しかし、患者に病気と一人で闘う力は到底残っていません。大切な誰かのために、一緒に闘ってあげることが重要です。

その際に心掛けるべきポイントに「ポジティブな考え方」というものがあります。うつ病患者はひどい場合には本当に何もできなくなります。

体を動かすためには心が動く必要がありますが、その心が壊れかけているのですから当然と言えば当然です。

そのため、周囲の人はうつ病患者が何かをする度に積極的に褒めてあげるようにしましょう。

部屋の掃除ができた、一人で買い物に行けたなど大人なら当然できることでも、とにかくポジティブに捉えて褒めてあげることが大切です。

周囲の称賛が原動力になり、次第にできることが増えてくる場合もあります。仮にそうはならなくとも、「味方が居る」と示すことはうつ病患者にとって大きな救いとなります。

うつ病患者との接し方2:繋がり

うつ病患者は一日中ベッドの中に居ることも多く、一人では生活できないことが少なくありません。しかし、ここで注意して欲しいのが「周囲が何でもしてあげる」というのは間違っているという点です。

うつ病患者のことを労わる余り、かいがいしく接したいと考えるのは無理からぬことですが、何でもかんでも与えてあげることは患者と社会との繋がりを絶つことを意味します。

そうなってしまうと患者は社会復帰の際に一から繋がりを作り直さなければなりませんが、患者にはとてもそんな根気はありません。

つまり、社会と一度断絶してしまうと患者は立ち直ることが極めて困難になってしまうのです。

買い物に行くでも、好きな風景を見に行くでも何でも良いです。とにかく社会と患者との繋がりを残しておくよう心掛けることが大切になってきます。

うつ病患者との接し方3:追い詰めない

うつ病患者との接し方は「こうした方が良い」もあれば「これはしてはいけない」もあります。その中で、避けていただきたいのが患者の選択肢を狭める行為です。

慮る余り、ということもあるでしょうが、『これはするな』や『どうしてあれをしたの? 』という言葉は患者には「存在の否定」のように聞こえます。患者は患者なりに病気で回らない頭ながら、キチンと考えて行動しています。

それを否定する発言や態度は大変危険で、罪悪感を増強し、患者は『自分は何もしない方が良いのだ』との考えから行動の選択肢を失います。

そうなると、最悪の場合は自殺することしか考えられなくなってしまい、抜け出せない泥沼にはまっていくことになります。

決して放任しろという訳ではありませんが、患者のことを追い詰めることの無いよう配慮を忘れないことが重要です。

うつ病は自力での回復は困難

周囲の家族も大変さの余り『このまま治らないのではないか』と考えてしまうことがある恐ろしい病気、うつ病。しかし、うつ病は決して治らない病気ではありません。

認知行動療法などの心理療法や治療用の薬物など新しい手法がどんどん研究、開発されています。うつ病が社会問題となっていることで公的な支援の動きも広がり始めています。

実際にうつ病から立ち直った人もこれまでに数多く居ます。ただ、うつ病から患者一人で立ち直ることは非常に困難で、不可能と言っても良いというのが正直なところです。

つまり、うつ病の治療には必ず周囲の助けが必要となるということです。周囲の接し方一つでうつ病患者を取り巻く環境は大きく変化します。どうか寄り添う心を忘れずに、一緒に病気を治すつもりで頑張ってあげてください。

周囲の助けがうつ病治癒の鍵

うつ病は決して甘く見ることのできない病気です。しかし、周囲の家族や友人の助けが大きな力となって、快方に向かう患者も非常に多く居ます。

ある意味では周囲の助けがうつ病の一番の薬ともなり得ます。

患者を突き放したり孤立させたりすることなく、大切な人のために手を差し伸べてあげましょう。それがうつ病完治への第一歩となるかも知れません。

(監修:Doctors Me 医師)