<「スイング・ステート(接戦州)」の1つフロリダ州で、トランプが事前の予測を覆して勝利。白人有権者の強固なトランプ支持が、ヒスパニック有権者の反発を凌駕した>(写真:フロリダとオハイオの勝利を喜ぶニューヨークのトランプ支持者)

 ヒスパニック(中南米系)の有権者が多いフロリダ州でも、ドナルド・トランプの躍進を止めることはできなかった。

 複数のメディア報道によると、ヒスパニックの有権者が多いためにヒラリー・クリントンが優勢と見られていたフロリダ州で、トランプが勝利して選挙人29人を獲得する見込みとなった。この結果には選挙アナリストも驚いている。

 アメリカン大学教授で人種と投票に関する著書もあるデービッド・ラブリンは、選挙前の取材で、フロリダでトランプが勝利すれば、「白人有権者を投票へと向かわせる影響力が、本当にトランプにあることを示している」と語っている。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校の政治学教授マイケル・ソーヤーは、ヒスパニック有権者からの強いクリントン支持でも、「白人労働階級に広がった強固なトランプ支持」は覆せないことを意味している、と語っている。

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 世論調査会社ピューリサーチセンターの調査によれば、8月の時点で、フロリダ州のヒスパニックの有権者の68%がクリントンを支持。トランプを支持するのは19%だけだった。州全体の有権者では、クリントン支持が41%、トランプ支持が37%だったことから、トランプのメキシコ移民などに関する発言がヒスパニックの反発を買っていたことを窺わせている。

 プエルトリコ系、ドミニカ系移民は伝統的に民主党支持者が多い(プエルトリコ系移民は最近、州内で100万人を超えた)。しかしキューバ系移民が「浮動票」になり得ると、専門家は予測していた。

 選挙人29人のフロリダ州は、長年大統領選の激戦州となってきたが、特に2000年の大統領選ではフロリダ州の僅差が勝敗を分けた。今回の投票前には、フロリダ州の選挙人29人か、またはペンシルベニア州の20人を獲得することが、トランプの勝利の前提になると見られていた。

マックス・カトナー