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再生はあるか、三菱自セダンからの撤退

【PJ 2005年06月22日】− 三菱自動車が年内で「ギャラン」と「ディアマンテ」という中・高級セダンの生産を打ち切る。再建途上の同社がこの分野から撤退するのは、自然の流れといえよう。しかし、これをビッグネーム・三菱という側面からとらえると、「再生計画達成のため車種を絞りこんだ」というこの決定には、それだけではないもう一つの解釈をみることができる。

 「ギャラン」と「ディアマンテ」は、過去にそれぞれ「日本カー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞したこともある同社の看板車種だ。近年国内市場で一般ドライバーのセダン離れが進んでいるとはいえ、セダンはいわば車の基本形。スリー・ダイヤモンドを冠する三菱グループの一員としての三菱自動車にとって、「スタンダードであり続ける」ことは使命であったはずだ。中・高級セダンからの撤退は、そのプライドをかなぐり捨てたという意味で、単なる車種絞りこみという以上の大きな決断といえよう。

 「昔は『課長になったらディアマンテ』だったんですけどね」とある系列会社の社員は話す。グループ意識の強い三菱では、その名を冠する会社であれば、社屋のエレベーターも、電化製品も、贈答品のビールの銘柄に至るまで「そろえられるものはすべて三菱ブランドで」という不文律があるという。自動車関係であれば、特に営業用などは車種もある程度決められ、グレード順に役職と連動する。

 自動車販売会社の社員が他社製の車に乗って営業に行くわけにいかない−−というのは当たり前の話であるが、セダンを廃された同社系列各社の社員は、今後どのような車で得意先に出かけるのだろうか。利幅が大きいこともあり、セダン継続を望む販売会社の声があるという。だが、同社相談センターによると、他社からのOEM(他社ブランドでの生産)を受ける計画も確定していない。

 三菱自動車の一連の不祥事は、同社の「古い体質」が問題とされた。伝統と同族意識の上にあぐらをかき、会社の体面を保つことを至上命令とする事なかれ主義。これが隠ぺい体質を招く。三菱自動車の再生は、このような企業体質から脱却せずにはあり得ない。

 同社は三菱グループの支援を仰ぎながら、生き残りを許されている。だから、いまだぬるま湯のままなのか――。 いや、だからこそ、中・高級セダンから撤退は、単なる不振部門切り捨ての意味を越えて、古い企業体質を本気で改善しようとしているサインだととらえたい。【了】



※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 杜 淘子【 東京都 】
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