コーヒーは、まるで万能薬?

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コーヒーの健康効果は多く知られているが、コーヒーを1日に3杯以上飲むと、脳腫瘍の発症リスクが低くなるという研究を国立がん研究センターのチームがまとめた。

国際がん専門誌「International Journal of Cancer」(電子版)の2016年8月号に発表した。

予防に作用する適量が今後の研究課題

国立がん研究センターが2016年11月5日に発表した資料によると、岩手県から沖縄県まで全国10地域に住む約10万人の男女を対象に、脳腫瘍の発症とコーヒーを飲む習慣との関連を20年間にわたって追跡調査した。期間中に157人が脳腫瘍を発症した。

コーヒーを飲む量を1日に3杯以上、1〜2杯、1杯未満の3グループに分け、脳腫瘍の発症リスクとの関係を分析した。喫煙や年齢などの要因を除外した結果、1日に3杯以上飲む人は、1杯未満の人に比べ、発症リスクは53%低かった。これはコーヒーに含まれるクロロゲン酸やトリゴネリンという成分に抗酸化作用の働きがあり、脳腫瘍の発症を抑えている可能性があるという。

同時に緑茶を飲む習慣についても調べたが、脳腫瘍を抑える効果はみられなかった。海外では1日に7杯以上飲むと逆に脳腫瘍の発症リスクが高まるという報告があり、研究チームでは発表資料の中で、「予防に作用する適量があるとみられ、今後の研究課題だ」とコメントしている。

がん・心臓病・うつ病は1日2〜6杯が適量か

コーヒーの効果については、同じ国立がん研究セーターが2015年に「毎日3〜4杯飲むと、飲まない人に比べ、心臓病で死ぬリスクが36%減、脳内出血・脳梗塞など脳血管疾患になるリスクが43%減、肺炎など呼吸器疾患になるリスクが40%減」という研究を発表している。また、がんについては、2012年に米ハーバード大学が「毎日4〜6杯飲むと、子宮体がんになるリスクが43%減、前立腺がんになるリスクが18%減」という研究を発表している。

このほか、糖尿病やうつ病、自殺予防にも効果が期待されるという報告があり、様々な研究を総合すると、1日に2〜6杯あたりが「適量」のようだ。