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●手術は「筋肉縫い縮め型」と「皮膚切除型」の2種類
まぶたが瞳孔や角膜にかかり、視界を遮ってしまう疾病の「眼瞼下垂(がんけんかすい)」。命に直結する危険性は少ないため、喫緊の病として対応する必要はないかもしれないが、見た目を気にして治療を望む人も多い。本稿では、あまきクリニック院長の味木幸医師の解説をもとに眼瞼下垂の治療法などを紹介する。

○手術をするタイミングに注意

眼瞼下垂は眼瞼(まぶた)が加齢などによって垂れ下がったり、まぶたを上げる筋肉が弱くなったりすることでなる病気だ。先天性のタイプもあるが、後天性のものではその原因は加齢やハードコンタクトレンズの使いすぎなど。症状としては、視界が狭くなったり物が見えづらくなったりすることがあるが、「まぶたをより上げようとして額にシワが寄る」「肩こりや頭痛を伴う」といった"弊害"を招く場合もある。

下がってきてしまう上まぶたを特殊な器具で持ち上げる「クラッチメガネ」を装用したり、垂れ下がってきた皮膚をテープで上に引っ張ったりすることで、眼瞼下垂への対症療法を行う人もいる。ただ、根本的治療となるとやはり手術しかない。

味木医師は「手術には、たるんでいる筋肉を縫い縮めるタイプと余分な皮膚を切除し縫合するタイプがあります」と話す。

「どちらの手術を選択するかは、担当医によって異なります。私のクリニックでは眼瞼下垂の種類と患者の方の年齢によって手術のやり方を変えています。縫い縮めるのみの術式は、皮膚のたるみがあまりない40〜50代の方に向けて行っています。それ以上の年齢の方に対しては、皮膚切除をする場合が多いです」。

どちらの術式を選択しても、手術は局所麻酔で行い日帰りが可能。皮膚を切除するタイプの場合、手術から約1週間後に抜糸するが、その間は患部が腫れることもある。また、1カ月間は皮下出血が度々出るため、社外の人と頻繁に会うような仕事をしている人は、手術のタイミングにも注意したいところだ。

●医療保険が適用される目安と手術費の相場
皮膚を切除する際は、炭酸ガスを用いたレーザーメスで手術をする場合もあるが、「メスの方が手術痕が残りにくいのではないでしょうか」と味木医師は話す。さらに、手術後の目を一重にするか二重にするかによっても、手術の難易度が異なってくるという。

「『もともと一重なので二重になりたくない』という人の場合、まぶたの皮膚はとても薄いため、メスの場合は傷はほとんど残らないと思います。二重に仕上げる場合は、レーザーメスにしろ通常のメスにしろ、『絶対に傷が残らない』とは言えません。シワに合わせて切るため、他の部分を切るよりはきれいにできるのですが、二重の一番奥に傷ができることもあります。ただ、できたとしても普通に生活されている分には傷跡はわからないと思います」。

気になる手術費用は、眼瞼下垂の種類・程度により異なるが、3割負担で2万4,000円(片目)前後になるケースが多いようだ。ただ、まぶたの垂れ下がり具合、すなわち症状の進行の程度によって保険の適用対象になるか否かが決まる。適用の目安は「上まぶたのふちが瞳孔を隠している」状態とのこと。

「患者さんの数は白内障同様に増えています。高齢化が進んでいる日本では、長生きすれば誰でもなる可能性があるのが眼瞼下垂」と味木医師は話す。視界の悪さや頭痛、肩こりはQOL低下につながる。眼瞼の垂れ具合は素人では判断が難しいので、気になる人は必ず専門の医療機関を訪問するようにしよう。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。

(栗田智久)