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By Fortune Live Media

世界でも有数の投資家・資産家であり、世界最大の投資持株会社、バークシャー・ハサウェイの筆頭株主で同社の会長兼CEOを務めるウォーレン・バフェット氏は読書家としても知られています。かつては1日に1000ページを読むこともあり、成功を収めた現在でも1日の80%を読書に費やすというバフェット氏が、これまでに「必読」として挙げてきた21冊の本をシドニー・モーニング・ヘラルド紙がまとめています。

21 books Warren Buffett thinks you should read

http://www.smh.com.au/business/markets/21-books-warren-buffett-thinks-you-should-read-20161103-gshv25.html

◆01:賢明なる投資家:ベンジャミン・グレアム(原題:The Intelligent Investor)

19歳の時に手にしたというこの本から、バフェット氏は投資に関する知的なフレームワークを得ることができたとのこと。バフェット氏はこの本に出会ったことについて「私の人生の中で最も幸運な瞬間だった」と振り返っています。この本から得られた知識についてバフェット氏は「生涯を通して投資に成功させるためには、人並み外れたIQやビジネスの先見性、はたまたインサイダー情報が必要というわけではありません。必要なのは、決断を下すための理に適った知的なフレームワークと、感情によってその決断が侵されない能力です。この本はその点を明快に解説しています。あなたに必要なものは、感情における規律です」と語っています。



◆02:証券分析:ベンジャミン・グレアム、デビッド・ドッド(原題:Security Analysis)

2番目に挙げられている本も、1番目と同じ著者によるもの。バフェット氏はこの本によって「これまで57年間にわたって携わってきた投資のロードマップを授かることができた」と振り返っています。バフェット氏にとって、著者のグレアム氏は父親に次ぐ大きな影響を与えてくれた人物とのことで「ベン(・グレアム)は素晴らしい先生です。天才です」と称賛しています。



◆03:株式投資で普通でない利益を得る (ウィザードブックシリーズ):フィリップ・A・フィッシャー(原題:Common Stocks and Uncommon Profits)

バフェット氏は、著者のフィッシャー氏とは投資スタイルが異なるとしながらも「私はフィル(・A・フィッシャー)の熱心な読者であり、あなたにも彼の著書をお勧めします」と推奨します。著書の中でフィッシャー氏は、企業の財務諸表を凝視するだけでは十分ではなく、企業のマネジメント態勢について評価する必要があると述べています。



◆04:ガイトナー回顧録 ―金融危機の真相:ティモシー・F・ガイトナー(原題:Stress Test: Reflections on Financial Crises)

かつてアメリカ合衆国財務長官を務めたガイトナー氏の著書について、バフェット氏は「全ての経営者が読むべき本」と評価。世の中に、厳しい状況における企業経営を示す著書は多くあれど、国の財政状況が破滅的な状況におけるマネジメントを記したものは、この著書以外に存在しないと言えます。



◆05:バフェットからの手紙 − 「経営者」「起業家」「就職希望者」のバイブル | ローレンス A カニンガム(原題:The Essays of Warren Buffett)

バフェット氏の思考フローを知りたいのであれば、本人が記した書籍に当たるのが最も確実な方法といえます。この中でバフェット氏は「チェス、トランプのブリッジ、はたまた投資する株の選択などの、知的な争いの場でより大きなアドバンテージになるのは、『考えることはエネルギーの無駄遣いである』と教えられてきた相手を持つこと以外に何があるでしょうか?」と問いを投げかけています。



◆06:ジャック・ウェルチ わが経営 (日経ビジネス人文庫):ジャック・ウェルチ (上巻)(下巻)(原題:Jack: Straight from the Gut)

バフェット氏は、20年にわたってGE(ゼネラル・エレクトリック)を率いて「伝説の経営者」とも呼ばれるジャック・ウェルチ氏について「聡明であり、エネルギーにあふれ、現場主義」と高く評価しており、2001年にバークシャーハサウェイが発表した(PDF)株主向け書簡の中でもウェルチ氏の著書を「必ず手に入れること!」と、必読の書に挙げています。



◆07:破天荒な経営者たち ──8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功 (ウィザードブックシリーズ):ウィリアム・N・ソーンダイク・ジュニア(原題:The Outsiders)

バークシャーハサウェイの2012年の(PDF)株主向け書簡でバフェット氏は、この著書を「資本分配に秀でたCEOたちについての素晴らしい一冊」と評価。書中では、バフェット氏が「私が会ったビジネスマネージャーの中で最高の人物」というバークシャーハサウェイのトム・マーフィー氏についても章が割かれています。また、経済誌Forbesはこの著書について「アメリカで最も重要なビジネス書の1つ」と評しています。



◆08:The Clash of the Cultures: Investment vs. Speculation:John C. Bogle(洋書)

同じ2012年の株主向け書簡では、投資信託会社「バンガード・グループ」の創設者であり、インデックスファンドの生みの親でもあるジョン・ボーグル氏の著書も推奨されています。著書の中には「(株価の)平均水準への回復が起こることを忘れるべきでない。今日ある銘柄が盛り上がったからといって、明日も同じように盛り上がるとは限らない。長い目で見れば株式市場はファンダメンタル・リターンに回帰するので、投資家の群れを追いかけてはならない」や「時間は友、衝動は敵である。建玉を複合的に持つメリットを活かし、市場の動きに流されてはいけない。さもなくば、値上がりした後の株を買い、値下がりした後の株を売る羽目になる」などの知見に富んだ言葉が書かれています。



◆09:人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」:ジョン・ブルックス(原題:Business Adventures: Twelve Classic Tales from the World of Wall Street)

1991年に、Microsoftのビル・ゲイツ氏がバフェット氏に推薦書を尋ねたところ、バフェット氏はこの書籍を挙げたとのこと。後に、ゲイツ氏はこの書籍が「勝てるビジネスを築き上げる原則は常に不変である」ということを思い出させてくれたと振り返っています。また、ゲイツ氏はこの書について「完璧な商品や計画、プレゼンテーションが存在しなくても問題はない。その代わり、計画を正しく導き、実行させる正しい人材をおく必要があります」と、人材がビジネスで大きな役割を果たすことを示していると記しています。



◆10:投資家のヨットはどこにある? (ウィザードブックシリーズ):フレッド・シュエッド・ジュニア(原題:Where Are the Customers' Yachts?)

バフェット氏は(PDF)2006年の株主向け書簡の中でこの本を「これまでに書かれた投資に関する本の中で、最もファニーな内容である。テーマに関する多くの重要なメッセージを軽いタッチで解説している」と称賛しています。初版が1940年と古いこの本は、ニューヨークを訪れた人物が銀行家とブローカーのヨットが並んでいるのを見て「客のヨットはどこに?」と尋ねるという内容で、ウォール街に関する知見あふれる内容が今でも魅力を持ち続けるものであるとのこと。



◆11:ケインズ 説得論集:J・M・ケインズ(原題:Essays in Persuasion)

経済学の大家、ケインズによる論著を集めたこの書籍についてバフェット氏は「ケインズを読むことで株や市場について知識を得ることができる」として、この書は「必読書である」と語っています。



◆12:マネーと常識:ジョン・C・ボーグル(原題:The Little Book of Common Sense Investing)

バフェット氏は、フィナンシャル・アドバイザーに助言を求めるよりも前に、まずはこの書籍を読むべきであるとしています。前述の通りインデックスファンドを生みだし、バンガード・グループの創設者でもあるボーグル氏は、自らの経験からインデックス投資の重要性を説いています。



◆13:Poor Charlie's Almanack: The Wit and Wisdom of Charles T. Munger (Abridged)(洋書)

バークシャーハサウェイの副会長を務めたチャーリー・マンガー氏による言葉をまとめた書籍。バフェット氏は「研究家たちが『マンガーはベンジャミン・フランクリンの生まれ変わりか』という問いに議論を重ねてきたが、この本が答えを示している」と、マンガー氏の功績をたたえつつ、この本が持つ意味を評しています。



◆14:投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識 | ハワード・マークス, 貫井 佳子 |本 | 通販 | Amazon(原題:The Most Important Thing Illuminated)

資産運用会社「オークツリー・キャピタル・マネジメント」の共同設立者で会長のハワード・マークス氏が記した書籍。マークス氏は、引退する日まで本を書かないと決めていたそうですが、バフェット氏は早期の上梓を待ち望んでいたとのこと。その内容についてバフェット氏は「まれに見る有益な書籍」と評しています。マークス氏は自身の経験を交えながら、投資家が成功するための手法を解説しています。



◆15:Dream Big (Sonho Grande):Cristiane Correa(洋書)

この本では、ブラジルの投資会社「3Gキャピタル」を設立した3人についてのストーリーが描かれています。この中では、「エリート主義」と「コストカット」という、3Gキャピタルを成功に導いた2つのマネジメントスタイルについて解説されており、バフェット氏は2014年のバークシャーハサウェイの株主ミーティングでこの本を推奨しています。



◆16:First a Dream:Jim Clayton、Bill Retherford(洋書)

著者のジム・クレイトン氏は、テネシー州の小作人の家に生まれ、後に全米最大の住宅建設業者「クレイトン・ホームズ」を築き上げた人物。バークシャーハサウェイもクレイトン・ホームズに投資を行っており、クレイトン氏の手腕を高く評価している模様。



◆17:ウォール街の大罪―投資家を欺く者は許せない!:アーサー レビット(原題:Take on the Street)

(PDF)2002年の株主向け書簡の中でバフェット氏は、会計事務所アーサー・アンダーセンの凋落を例に出して当時の会計基準や会計監査基準の堕落っぷりを解説。その詳細がこの書籍で示されているとして評価しています。



◆18:核テロ―今ここにある恐怖のシナリオ:グレアム アリソン(原題:)

著者のアリソン氏によれば、アメリカが政策を転換しない限り、アメリカに対する核攻撃は不可避だとのこと。これを実現するには「核の紛失なし(no loose nukes)」「新たな核保有の兆候なし(new nascent nukes)」「新たな核保有国なし(no new nuclear states)」という「Three NOs (核の3ない)」が必要であると論じています。バフェット氏は「国家の安全に関心を寄せる人の必読書」と評しています。



◆19:The Making of the President 1960 (Harper Perennial Political Classics):Theodore H. White(洋書)

バフェット氏は2016年のPOLITICOのインタビューで政治に関する書籍、とりわけ1961年に出版され、ピューリッツァー賞を受賞したこの作品を読むことが好きであると語っています。本の中では、1960年に繰り広げられたアメリカ大統領選で、ケネディ候補が予備選を勝ち抜き、本戦で勝利して大統領の座を勝ち取る様子が克明に記されているとのこと。



◆20:Limping on Water: My 40-year adventure with one of America's outstanding communications companies:Philip Beuth、K.C. Schulberg(洋書)

生涯にわたり、後に世界最大の放送局となるアメリカのABCおよびキャピタル・シティーズ社にキャリアをささげたフィル・ビュース氏の自伝。バフェット氏は、「キャピタル・シティーズは、倫理的な起業活動と、驚異的な経営実績を両立するという輝かしい基準を将来にわたって示す企業といえるでしょう。これら2つの『偉業』を成し遂げたのはトム・マーフィー氏とダン・バーク氏の2人であり、ビュース氏の著書はまるでリングサイドから試合を見るように、読者にその光景を見せてくれます」と高く評価しています。



◆21:Warren Buffett's Ground Rules: Words of Wisdom from the Partnership Letters of the World's Greatest Investor: Jeremy C. Miller(洋書)

主に、バフェット氏が1956年から1970年にかけて率いていたBuffett Partnership Limitedのパートナーに向けて送った書簡をまとめたこの書籍は、いかにしてバフェット氏がベンジャミン・グレアム氏の教えをもとに投資戦略を構築したのかがわかる内容になっているとのこと。バフェット氏は著者のミラー氏に対して次のように賛辞の言葉を送っています。「ミラー氏は、Buffett Partnership Limitedを調査して解剖し、その文化がいかにしてバークシャーハサウェイへとつながったのかを記すという素晴らしい仕事をやってのけました。投資の理論や実践に関心を寄せる人ならば、きっとこの本の面白さがわかるでしょう」