by Sam Howzit

秘密結社「フリーメイソン」メンバー200万人の名前や職業などをオンラインで公開したイギリスの調査会社Ancestryが、またも歴史的な記録である「スコットランドの魔女の名前リスト」を公開しました。

List of ‘Scots witches’ published online for first time - The Scotsman

http://www.scotsman.com/heritage/people-places/list-of-scots-witches-published-online-for-first-time-1-4272984



Scottish witchcraft book published online - BBC News

http://www.bbc.com/news/uk-scotland-37789413

1450年ごろから1750年ごろまでの約300年間、ヨーロッパで大規模な「魔女狩り」が行われました。犠牲者数は多く見積もったものだと100万人単位というものもありますが、現在はおおむね4万人〜6万人であったという見方が有力です。

15世紀末に在位した教皇インノケンティウス8世が1484年12月5日、回勅「スンミス・デジデランテス(Summis desiderantes affectibus)」で魔術師と魔女を糾弾。この回勅が異端審問官ハインリヒ・クレーマーの著書「魔女への鉄槌(Malleus Maleficarum)」の序文に転用されて「魔女狩り」は本格化しました。

時代や地域によってその激しさは異なり、たとえば王の力が強かったスウェーデンでは厳格に裁判が執り行われ、イタリアやヴェネツィアでは裁判の数自体は多かったものの、死に至るような刑罰はほとんどなかったそうです。スペインでは「スペイン異端審問」と呼ばれる、政治的な異端審問が行われたため、魔女の異端審問(魔女狩り)はあまり行われず、インノケンティウス8世は2度にわたってスペインでの異端審問のやり過ぎを批判しています。

そんな中で、激しく取り締まりが行われた地域の1つがスコットランド。犠牲者の数はドイツ、スコットランド、フランスの順だったと言われていて、イングランドでの魔女狩りが1590年代をピークに衰退したのに対して、スコットランドでは1590年代から1660年代と長期間にわたって魔女狩りが行われました。

今回、Ancestryが公開したのは1658年のスコットランドの「Names of Witches(魔女の名前)」で、「魔女」の名前と住所、そして「告白」が記録されています。魔女といっても女性とは限らず、ダンバートンに住む「Jon Gilchreist」「Robert Semple」という船乗りの名前も記録されていました。エア近郊のアロウェイに住むJames Lerileという人物は備考欄に「clenged」と書かれています。これは「きれいになった(cleaned/made clean)」を意味するもので、つまり追放されたか処刑されたことを示していると考えられます。

なお、スコットランドでの魔女狩りの犠牲者は3000人から5000人と言われていますが、魔女の疑いを掛けられた人物の数はさらに多数に上ります。当然、これらの人々は魔術師や魔女ではなく、医者や民間療法の実施者だったと考えられています。

ちなみに無制限に公開されているというわけではなく、以下のページにアクセスして、人物の名前や住所など検索フレーズを入力して絞り込んでいく形です。

Scotland, Names of Witches, 1658

http://search.ancestry.com/search/db.aspx?dbid=61099



また、「入力した条件に該当する人物のリスト」まではそのままでも見られますが、詳細情報の閲覧はAncestryへの登録が必要。利用料は月額34.99ドル(約3700円)で、6カ月プランだと月額24.83ドル(約2600円)。14日間の無料トライアルもあります。