By OnInnovation

ロボット技術や人工知能(AI)がさらに進化を続けることで、現在は人間が行っている仕事がロボットに取って代わられる時代がやがて到来するとも考えられており、野村総研が人工知能やロボットに代替されそうな職業100&代替されなさそうな職業100のまとめリストを作成するなど、人々の関心が集まっています。そんな時代が訪れた場合、テスラSpaceXの創業者であるイーロン・マスク氏は「政府によるベーシックインカムが実現する」という見通しを語っています。

Elon Musk: Robots will take your jobs, government will have to pay your wage

http://www.cnbc.com/2016/11/04/elon-musk-robots-will-take-your-jobs-government-will-have-to-pay-your-wage.html

アメリカ・CNBCのインタビューの中でマスク氏は、「オートメーションが進むことで、最終的に政府によるベーシックインカムやそれに類するものに落ち着く可能性は非常に高いと思います。私にはそれ以外の進む道が思いつきません。きっと起こるでしょう」と語っています。さらにマスク氏は、「これにより、人々はほかのことや、さらに複雑なこと、そして興味を引くことをする時間を得るでしょう。もちろん、レジャーの時間も増えることになります」と、よい意味で人々が仕事に縛られなくなる未来を示唆しています。

人々の生活に必要な一定額を政府が支給する制度が「ベーシックインカム」と呼ばれるもので、構想そのものはそれほど新しいものではありませんが、ヨーロッパの国々を中心に時おり議論が起こっています。2016年6月には、国民に月々30万円のベーシックインカムを支給する制度についての国民投票がスイスで実施されましたが、反対派が76.9%にも達したことから否決されています。

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スイスでは否決されたベーシックインカムの試みですが、フィンランドでは月々6万円を支給する実験が実施されるに至っています。

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マスク氏の発言は、これらの構想とロボット・AI技術の進歩が関連し合うことを示唆するものとなっています。特に注目を集めていると言えるものの1つが、AIを搭載した自動運転カーの登場です。AIがヒトやモノの輸送を担う時代が到来することで、タクシーやトラックのドライバーの多くは仕事を失うとも言われています。仮にトラックの多くが自動運転化されることになるとドライバーの多くは必要がなくなり、数人のオペレーターが無人トラックの運行をモニタリングして、問題が発生した時に初めて人間が対処するという仕組みに変化すると考えられています。マスク氏はこの仕事について「おそらく、単にトラックを運転するよりも興味深いものになるでしょう」と語っています。

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気になるのが、ベーシックインカム制度を実現するための政府財源ですが、これについては触れられていません。マスク氏はインタビューの中で、「最終的に、私たちは『デジタル知能』と共存するための手法を改良することが必要でしょう」と、ロボット・AI技術との共生が避けられない時代が来ることを語っています。ついにコンピューターが人間と同じかそれ以上の知能を身に付ける未来の世界が到来しつつある今、人間にもそれに対応する考え方を身に付けなければならなくなるのは必至と言えるのかもしれません。

マスク氏がCNBCのインタビューで語った内容は、以下のムービーから確認することができます。

ROBOTS WILL TAKE YOUR JOBS! ELON MUSK - YouTube