【疑問】オートマオイル(ATF)は無交換でもOKなのか?

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無交換でも壊れることは少ないがコンディションは下がる

ATの内部に入れられているフルード、いわゆるATFの交換については昔からいろいろと意見や説がある。交換すべきか、無交換でいいかがその代表例だろう。メーカー指示はというと、無交換というのが多く、交換を指示していても10万km時点と、けっこう長い。

ただ、シビアコンディションという但し書きもあって、この場合は5万〜10万kmで交換としていることが多い。ちなみにシビアコンディションとは、渋滞にはまりやすいとか、高速走行が多い、荷物をたくさん積むなど。

逆に1回の走行距離が少ないのもシビアコンディションになる。いずれにしても文字どおり、クルマにとってストレスのかかる使い方を指すが、実際のところ、日本だとけっこうな数がシビアコンディションになってしまうともいえる。

いずれにしても、ATFを交換しないとどうなるか? 普通に使っていれば、クルマの寿命までは使える。だから無交換という指示もあるのだ。ただし、これは問題のない状態で走ることができるという状態。少々、ショックが大きくなったり、滑ったりしても、問題なく走るということを指す。

この場合はシビアコンディションも含めて、取り扱い説明書やメンテナンスノートを沿って対応すればいい。それで致命的な不具合が出れば、保証期間内であれば無償で対応してくれる。

しかし、少なくてもクルマ好きで愛車が大切ならこのような最低限の状態では乗りたくないハズ。ショックのない変速やスムースで滑らかな走りを楽しみたいだろう。その場合は交換すればいい。

シビアコンディションの交換指示毎に替えるのが目安

実際、取り扱い説明書をよく見ても、指定期間内でも交換することを推奨するなどと書いてあることがある。ディーラーの売上げ対策などといううがった見方をする人もいるかもしれないが、替えるに越したことがないというのもまた事実。

実際に10万km無交換のATを分解すると、内部にはスラッジがけっこう溜まっていて驚くことがある。ATの場合、ATオイルと言わないでATフルードと言うのは、単純に潤滑をしているだけでなく、各部の作動を行なっているから。つまり作動油としての役割が大きいと言え、内部は細かい経路とさまざまなバルブが配置されている。そのなかをATFが流れているだけに、大きなストレスがかかるわけだ。

それゆえ、たとえ問題が発生しないにしても、交換しないことがAT本体にとってよくないのは確か。看板やチラシで見かける2万km毎というのはやりすぎにしても、シビアコンディションでの指示期間で交換するのがいいだろう。ATオーバーホールの専門業者も定期的な交換は推奨している。交換はホコリやゴミを極端に嫌うので、ディーラーや設備をもった整備工場に頼むのが基本。フィルターが付いていれば同時に交換したい。フィルターが新品になれば、ATFの流動性がよくなり、作動がスムースになるからだ。

最後に変なたとえかもしれないが、真っ黒の天ぷら油で揚げた天ぷらも食べられなくはないけど、新品の油をまめに交換して揚げたほうが美味しい。酸化していないから、体にもいいのと一緒。ATFにも同じことが言える。

(文:近藤暁史)