トランプ陣営「偽アカウント」でSNS発信 ロシア政府関与説も

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ドナルド・トランプはヒラリー・クリントンと同じく、ツイッターの巧みな使いこなしで知られている。トランプは、デジタル空間で人々の暴力的衝動を高め、増幅させている。

トランプの能力が発露される場はツイッターに限らない。インスタグラムにおいても彼は膨大なフォロワーを獲得している。しかし、彼のフォロワーの多くはボットであり、ロシア製のアカウントが大量に紛れ込んでいるとの情報が、イタリアの研究チームからフォーブスにもたらされた。

トランプのインスタグラムのフォロワーは290万人。しかし、その15%はボットだという。

イタリアのアドレア・ストロッパ(Andrea Stroppa)らの研究チームは、現在Githubで公開中の独自ソフトウェアを使用し調査を行なった。彼らは数千に及ぶインスタグラムのアカウントを作成し、プロキシを使用して作業を行なった。「データ解析には大量のデータ取得が必要で、インスタグラムに検知されれば、そのアカウントは遮断される」と研究チームのリチャード・フッタは言う。

彼らは今年9月から10月の間に合計250万件のトランプフォロワーのアカウントを調査。49万6,109件の怪しいアカウントを突き止めた。これらのアカウントの多くは90日以上の間、休眠状態だった。

「ヒラリーを刑務所に」等の投稿

また、37万5,000件がプログラムで作成されたものだと判定され、これにより「トランプのフォロワーの15%はボットだ」との結論を彼らは導いた。その後のテキスト解析の結果、約2万6000名がロシア語を使用していた。プロフィールでロシア最大のソーシャルメディアVKにふれている者が2,979名。ロシアの電話番号を登録した者が910名。投稿は英語だが、登録電話番号がロシアの者が4,963名だった。

「ロシアのプロバガンダは英語で記述される場合が多い」とフッタは言う。「我々はアカウントに紐付いた、キリル文字のスクリプトを探り出し、投稿が英語で記述されていても、それらがロシア製であると判断した」

研究チームは30日間に渡り、トランプのフォロワーらの行動を追跡した結果、トランプトレイン(#trumptrain)やヒラリーを刑務所に(#hillaryforprison)等のハッシュタグを添えた1万8,000件の投稿がロシア製アカウントから送信されていた。その次に多いのはスペイン語を母語とするアカウントだった。

イギリスのサリー大学、コンピュータ部門の教授、アラン・ウッドワードは「これは極めて異常な事態だ」と述べた。「これらのアカウントがロシアの影響下にあることは明白だ。しかし、ロシア政府が絡んでいるとは言い切れない」とウッドワードは言う。「ただし、ここには何かが隠されている」

研究チーム側も同様の結論だ。「これらのロシア産のアカウントが、クレムリンの関与を裏付けるものなのか、もしくは単純にドナルド・トランプの支持者がロシアに居るだけなのかは分からない。しかし、投稿が米国の大統領選挙の行方に、重大な影響を与えていることだけは確かだ」