「進駐軍系上司」はランチに誘って会話せよ

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外資系企業からやってきたコンサルタント系上司や合併先の上司、政府の「女性の活躍推進策」で下駄を履かされた女性上司……。もう何がきても怖くない、部下の心得と対策を伝授しよう。

■【進駐軍系上司】沈黙は反抗の印。まずはランチに誘って会話せよ

起業合併により、かつてのライバル会社からやってきた上司。部下としては、まるで敵に降伏したような気分になるので、これを「進駐軍系上司」と呼ぼう。

当然、職場の現状が変わるだろうということは誰もが予測できる。問題は、そのことに対し部下が、過剰に反応してしまうことによって生じる。自分たちがこれまでやってきたことが、全否定されかねないと身構えてしまうわけだ。

あげく、何人かで集まっては「前はよかったね」などと懐かしむ。これでは雰囲気が悪くなるばかり。上司と部下の関係性も好転するわけがない。

なにも宇宙人が来たわけではないのだ。部下の心得としては、「新しい人が入ってきたときには、なにか新しいことが始まる」「これまで知らなかったような面白い話が聞ける」と期待感を持って考えたほうがいい。

聞く姿勢や学ぶ姿勢は相手にも伝わるもの。話を聞く気があるということが上司に伝われば、上司も羽織を脱いで「僕は言われているほど怖い上司じゃないから、よろしく」といった形で、歩み寄ってくれる。なにも揉み手でヨイショをしなくても、「かわいいやつらだな」と思ってもらえるのだ。そこからは相乗効果で打ち解けることができるだろう。

逆に、こちらが沈黙していては、反抗的な態度にしか映らない。また、「これまではこうやっていたんですけど」という言い方をするのもNG。「けど」が入ると、相手にはその部分しか耳に入らず、反抗意識むき出しの言葉と受け止められかねない。

伝説の名経営者・土光敏夫さんは『土光敏夫 信念の言葉』(PHP文庫)で「肯定的態度とは、相手の発言を相手の立場になって聴き、どこに賛成しようかと考える姿勢をいう」と述べている。この姿勢こそが究極の答えといえるかもしれない。

また、進駐軍系上司との関係性では、どうしても緊張感が生まれやすいので、ごく普通の会話を数多くすることも重要。とはいえ仕事中に、いきなり気さくな感じで話しかけるのも難しい。また、会議や企画書のやり取りなどの際に会話があっても、なかなかごく普通の会話はしにくいもの。そんなときは、昼食を食べに行く際に「一緒にどうですか?」と部下のほうから声をかけるといい。

こうした単純接触の原理をうまく活用して、食事をしたり、一緒に言葉を交わしたりといったことに費やす時間を積み上げれば、それに比例して、互いのコミュニケーションはよくなるはずだ。

▼特徴
・身にしみた企業カルチャーは全く異なる場合もあるが、人間性として特定の特徴があるわけではない。
・合併相手先に乗り込むのだから、上司としても緊張しているのは当然。

▼対策
・様子見の沈黙は反抗と受け取られかねない。
・「なにか新しく面白いことが始まる」と期待感を持って上司の話を肯定的に捉える。
・昼食などに誘うのは部下から。普通の会話を積み重ねれば距離も縮まる。

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本田有明
本田コンサルタント事務所代表。日本能率協会を経て人事教育コンサルタントとして独立。経営教育、能力開発の分野でコンサルティング、講演、執筆活動に従事。著書に『上司になってはいけない人たち』(PHP研究所)など。
 

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(小澤啓司=構成 永井浩=撮影)