(写真提供=SPORTS KOREA)NCダイノスの本拠地

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斗山ベアーズの優勝で幕を閉じた韓国プロ野球。斗山はその名の通り、熊をマスコットにするが、韓国の旧知のスポーツ新聞記者と「今年のプロ野球は、日本(北海道日本ハムファイターズ)も韓国もアメリカ(シカゴ・カブス)も熊がチャンピオンになったね」と話していると、またしてもガッカリさせられるニュースが飛び込んできた。

11月7日、京畿道(キョンギド)地方警察庁がプロ野球の八百長問題の調査結果を発表したのだ。

韓国プロ野球に2012年以来2度目の八百長問題が発覚したのは今年7月。今回はその捜査に踏み切った警察発表だったが、衝撃的だ。

まず、その人数である。警察庁は現役、元選手を含め7人の投手と八百長を仲介したブローカー2人など、計19人を国民体育振興法違反の嫌疑で検挙したと発表した。韓国では合法・非合法にかかわらず、現役選手のスポーツ・ベッティングは“国民体育振興法”という法律によって禁じられているが、彼らは違法スポーツ賭博サイトで賭け事をしていただけではなく、何人かの選手は八百長にまで手を染めていたいう。

例えば投手Aは2014年4月1日と19日の試合で、八百長に協力した対価としてブローカーB氏から300万ウォン(約30万円)を受け取っていたらしい。

また、投手Cは違法スポーツ賭博で得た金を折半する条件で、ブローカーDが企てた八百長に加担。Cの同僚で国軍体育部隊に属していたEも、違法スポーツ賭博で稼ごうとほかのチームメイトに八百長を持ち掛けるが、断られて未遂に終わったという。違法スポーツ賭博に手を出して、そこから八百長に手を染めた典型的なケースだっだのだ。

またもや違法スポーツ賭博が選手たちを八百長へと誘なっていたわけだが、今回の警察庁発表で衝撃的なのは、球団が選手たちの八百長の事実を知りながら、それを隠蔽し、なおかつ当該選手を売り飛ばして利益を得ていたということだ。

しかも、その球団は今季、韓国シリーズに進出したNCダイノスだったのだ。

NCダイノスはCとEが八百長に加担していた事実を把握していたが、それが明るみになれば球団イメージが悪くなるとして、韓国野球委員会(KBO)には報告せず内部処理。「素質は優れているが、野球に対して真摯ではなく、コーチ陣とも仲が悪い」という理由で、Cを支配下登録選手枠から外し、新生球団Ktウィズが獲得できるよう仕向け、その契約金10億ウォンを手にしたという。

不正を隠蔽し、なおかつその事実をもみ消すために嘘までついて放出し、さらに金まで手にしていたというのだから、抜け目がないというか厚顔無恥というか、呆れてしまう。ちなみにこれを画策したNCダイノスの球団幹部2人には、詐欺容疑がかかっている。

韓国プロ野球は今季も活況の最中にあり、昨年の736万529人を楽々と越えるどころか、史上初の800万人も突破。ペナンレースだけで833万9577人の観客動員に成功した。

ただ、その一方で不祥事も絶えないシーズンでもあった。

名誉毀損、飲酒運転、前代未聞の公然わいせつ、そして夏に発覚し今回の警察庁発表でその内情がより明らかになった八百長スキャンダル。不祥事が起きる度に球団や選手会が謝罪会見を開いているが、今回の事態はどのような形で収拾を図るのだろうか。

(参考記事:八百長、違法賭博、性的暴行の次は公然わいせつ罪!! 韓国プロ球界で不祥事が続出するワケ

八百長という不正もさることながらも、それを隠蔽していた罪は重いと言わざるを得ないだろう。

シーズンオフを迎えても、韓国球界を悩ます“違法賭博”の闇。選手たちとその闇との関係を断ち切り、違法スポーツ賭博そのものを撲滅させなければ、韓国プロ野球は今後も八百長の“魔の手”にさらされる。韓国プロ野球は近年、かつてないほどの活況に沸いているだけに、この問題を一日も早く解決したいところだが……。

(文=慎 武宏)