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東芝の原子力事業は、フラッシュメモリーと並ぶ中核事業だ。2016年3月期に米子会社ウエスチングハウス(WH)ののれん代2500億円の減損損失を計上して出直しを図っている。WH製の原発は米国と中国で計8基を建設中。2030年度までに新規受注65基の目標の根拠は何か。WH会長で、東芝のエネルギーカンパニー社長のダニー・ロデリック氏に聞いた。(「週刊ダイヤモンド」2016年11月12日号特集「東芝 再生の難題」より。「週刊ダイヤモンド」編集部・村井令二)

──WHの原発「AP1000」の新設受注計画は65基という高い目標だが、最初に受注が見込めることになったインドの状況はどうか。

 インドの新設6基の交渉はほぼ終わっていて、来年には契約する。その年の後半にはEPC(設計・調達・建設)契約に署名することになる。インドにはさらに6基のサイトが米国ゼネラルエレクトリック(GE)の原発に割り当てられているが、GEはインドの原子力損害賠償法について懸念を表明している。もしもGEが下りた場合は、WHとして興味を持っている。それ以降もインドでは新しい原発開発の計画があるので、さらに建設する機会は出てくる。

──インドの原子力損害賠償法は、原発事故が起きた場合、原発メーカーの賠償責任が追及されるリスクがある。GEが懸念を表明しているなら、WHにとってもリスクではないか。

 インドでは、新しく保険制度を作って、不幸にも原発事故が起きた場合のメーカーのリスクをカバーすることになると理解している。最終的にGEがどう判断するかはわからないが、WHとしてはリスクが払しょくされて、インド政府に約束した原子炉は建設できる。

――中国で建設中のAP1000の4基の運転開始は公表されていないが、いつ頃になるのか。その後の中国市場の新設受注の見通しはどうか。

 中国では初のAP1000を三門と海陽の2か所で計4基建設しているが、そのうち三門1号機の運転開始は間近。現在、運転試験を行っていて、数ヵ月以内には燃料の装荷を始める。三門1号機の運転開始が始まれば、その4ヵ月遅れて海陽1号機の運転が始まる。つまり、中国ではこの1年で2基のAP1000が立ち上がる。そして、今現在、中国政府が選定している新規原発のサイトの初期作業も進んでいるようなので、政府がゴーサインを出せば、これから数年は毎年8基程度の新設が見込めるだろう。

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