齋藤学(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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齋藤学は報道陣からの受け答えがとてもクレバーだ。7日の練習後、取材に応じた齋藤には、左FWとしてライバルだと目される原口元気についての質問が飛んだが、その受け答えでも、2度機転を利かせた。

「元気、いいですからね。ただ、元気もオレもタイプが一緒じゃないし、一緒に出てもやれると思います」

そう答えた後に齋藤は軽く笑った。そして「『元気に負けないぞ』って言わせたいんでしょうけど(笑)、オレはすごくドイツの話を聞いてるし、いいコミュニケーション取れてます」と、メディアの心境を見透かしたような言葉を続ける。

それでもしばらく後に、原口と共存するために「右サイドで出れば……」という質問が出た。すると齋藤は「誰がどこで出るなんて、オレは言わないから」とさらりとかわす。

だが、それだけではなく「そこは監督が考えることだし、いろんな戦術の中でいろんな使われ方があると思う。そこに何か悩ませるきっかけになればいいと思うので」と続けた。そして「ね、うまい言い方したでしょ?」と報道陣を笑わせる。

その齋藤が2度、一瞬言葉が詰まる場面があった。

一つは、アルベルト・ザッケローニ監督時代や、その後になかなか代表チームで出場の機会が与えられていないということに関する質問が出たとき。齋藤は「痛いことを言うんですね」と言ってみんなを笑わせ、雰囲気を柔らかくした後に、少し考えてこう話した。

「そうなんですよ。なかなかね、チャンスを得られないというか。やっぱり、信頼を得られないというところが出場のチャンスをもらえないところにつながっていると思うので、ここで使っても大丈夫だと思ってもらえるようなプレーを練習から出していなければいけないと思います」

そしてワールドカップのときなどは出場に対する緊張や不安があったが、今はそれが無くなっていることを明らかにした。

もう一つは、10月は「追加招集」、そして今回は「招集」になったこと。ステップアップしたと感じるか、と聞かれたときだった。

齋藤は一呼吸考えて言葉を発した。「特に変わりはないかな……。代表チームにいて、何かをすることが自分の成長に繋がると思うし、それがチームのためになれればいいと思います」

だが、話はそれで終わらなかった。「それでも僕は試合に出るべきだと思うので、しっかり結果を残せるように頑張ります」

齋藤はしっかりと考えた後に、代表チームに招集されるということの意味と、出場への渇望を語った。試合での活躍と同時に、出場試合後のクレバーな質疑応答も待ち望まれている。

【日本蹴球合同会社/森雅史】