FW齋藤学は約2年5か月ぶりの代表戦出場なるか

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 今、試さずして、いつ試すのか。そう思わせるような抜群の切れ味を見せながら今季のJ1を終えたFW齋藤学(横浜FM)が11日のキリンチャレンジ杯・オマーン戦(カシマ)、15日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(埼玉)に向け、「負けるわけにはいかない試合。自分が出ることでこのチームにプラスアルファをもたらしたい。1対1で違いをつくっていきたい」と、出場意欲をたぎらせた。

 13年7月21日の東アジア杯・中国戦で代表デビューを果たし、14年ブラジルW杯メンバーにも選出されたが、出番がないままW杯は幕を閉じた。それどころか、代表戦は14年6月6日のザンビア戦以降、出場機会を得ていない。ハリルジャパンになってからは追加招集で何度か呼ばれたが、ここでも出番はなく、10月11日のオーストラリア戦後の会見では「齋藤や浅野のような経験がない選手ではプレッシャーに負けてしまうのではないかという不安もあった」とハリルホジッチ監督から名前を挙げて言及された。

「なかなかチャンスを得られないというのが複雑だけど、信頼を得られないというところが出場チャンスをもらえないところにつながっていると思う」と話すように、齋藤自身にも指揮官を満足させるアピールができていないという葛藤はある。だが、腸内フローラなどで肉体改造や体質改善を施し、メンタルトレーニングにも取り組んだ今季は、これまでと違う自信を得ているのも事実だ。

 14年6月19日のブラジルW杯グループリーグ第2戦・ギリシャ戦。初戦のコートジボワール戦で黒星を喫し、0-0のまま試合が進んでいたギリシャ戦では、アジリティー勝負のできる齋藤の投入が期待されたが、時のアルベルト・ザッケローニ監督から名前を呼ばれることはなかった。

「ブラジルのときも、練習ではすごく調子が良かった。それはあのときにいた選手に聞いてもらえれば分かると思う。だから自分も出たらやってやるぞという思いでいたけど、出られなかった」と当時を振り返りながら、「ただ、自分がそこから変わったことと言えば、途中から出る選手には不安や恐怖感があるものだと思うけど、今はそれがあまり気にならなくなった」。胸を張る理由は、自信がもたらすメンタル面の成長だった。

 10月29日のJ1第2ステージ第16節・鳥栖戦では切れ味鋭いドリブルが炸裂した。ワンツーからペナルティーエリア内でDFを2人かわし、GKとの1対1から冷静に右足で流し込んだ。“ハマのメッシ”の愛称に違わぬスーパーゴール。最終節の浦和戦でも恐ろしいほどの切れ味で、年間勝ち点1位となったチームをビビらせた。

「(代表では)なかなかJリーグのことを評価してくれることがないので、Jリーガーとしてしっかりできるんだぞというところを見せたい」。齋藤にいよいよ出番が来るか。

(取材・文 矢内由美子)


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