脱「グーグルの下請け」狙うファーウェイ Mate 9で歩む独自路線

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サムスンのGalaxy Note7の発火問題は、他の高級スマホメーカーにとって市場シェアを拡大する絶好の機会となった。こうした中、ファーウェイは11月3日に最新機種「Mate 9」を発表した。

Mate 9の価格は699ユーロ(約8万円)で、まずは中国や欧州、中東、アジアなど12か国でリリースされる。ウォールストリート・ジャーナルによると、アメリカでの販売開始は1月になる予定だという。

Mate 9のディスプレイサイズは5.9インチ、解像度は1080pで、外観は継ぎ目のないメタルユニボディとなっている。最大の特徴は、ドイツの大手カメラメーカー、ライカと共同開発したデュアルカメラ(12メガピクセルのRGBセンサーと20メガピクセルのモノクロセンサー)を搭載していることだ。

機械学習機能も実装

iPhone 7 Plusもデュアルカメラを採用しているが、Mate 9は2つのカメラが縦方向に並んでいる点が異なる。また、オートフォーカス機能は、被写体の顔を自動で認識することができる。バッテリーは4000mAhと大容量で、急速充電技術により1 日分の使用量を20分で充電可能だ。

ファーウェイが自社開発したプロセッサ「Kirin 960」は、ARM Cotex-A73 と A53を各4基搭載し、GPUにはARMのMali-G71を採用している。アンドロイドベースのカスタムUIである「EMUI 5.0」により従来以上に直感的な操作が可能になり、ファーウェイは全機能の50%は2クリックでたどり着けるとしている。

Mate 9は機械学習機能を実装しており、ファーウェイの米国モバイル事業のバイス・プレジデントを務めるMichelle Xiongは「端末はユーザーの使用頻度が高いアプリを把握し、CPU処理を行なっている」と述べている。例えば、ユーチューブをよく視聴するユーザーであれば、ユーチューブアプリをクリックしたらすぐに起動するようにCPUリソースを優先的に割り当てているのだ。

グーグルの下請けから離脱

現在、高級スマホ市場はサムスンとアップルが独占しているが、ファーウェイはMate 9の投入により両社の牙城を崩したい考えだ。ファーウェイはグローバル展開を加速して5年以内に世界最大のスマホメーカーになることを目指しているが、母国である中国市場では逆風が吹いており、その実現は決して容易ではない。

ファーウェイは今年、競争の激しい中国市場でシャオミを抜いて1位の座を奪取したが、その後VivoとOppoに追い抜かれた。調査会社カウンターポイント・リサーチが公表した3Q実績によると、ファーウェイの中国国内における出荷台数は前年対比で6%減少した。これに対し、シャオミは実に22%も減少している。

ファーウェイはこれまでグーグルの「Nexus」シリーズの製造を手掛け、米国スマホ市場において一定のプレゼンスを獲得してきた。しかし、グーグルは「Pixel」をリリースしハードウェアに対するコントロールを強めている。ファーウェイは今後、自前で米国での成長を図っていく必要に迫られているが、米国でのブランド認知度は低く、シェア拡大には多くの苦労が予想される。