「おくすり1週間分だしておきますね」 3日で治ったら?

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執筆:井上 愛子(保健師、看護師)


病院でもらった風邪薬、1週間分もらったものの、3日程で症状が治まりました。残りの薬を飲みきるべきか迷ったことはありませんか?

病院や薬局で処方された薬は、飲みきった方が良いのか、そもそも自分で判断をしても良いのでしょうか?

処方薬を飲むときの注意点をみていきましょう。

自己判断には要注意

風邪などで病院を受診したときに出される抗生物質や解熱剤。このような薬には必ず説明文がついていて、指示通り飲むことが大原則です。

症状はいったん治まったかのように見えても、身体の中にはウイルスが残っていることがあります。

抗生物質などは、病気の原因をきちんと取り除くことを目的とした量が処方されているため、仮に1週間分の薬を3日でやめてしまうと、せっかく治まっていた症状がぶり返したり、さらに重い合併症を招いてしまうこともあります。


一方で解熱剤など、辛い症状がでている時にのみ、飲むよう指示される薬もあります。

自己判断で「飲む・飲まない」を判断するのではなく、必ず医師や薬剤師の指示に従い、説明文をよく確認しましょう。

副作用が気になるときは?

一方、「薬を飲み続けることでの副作用が気になる」という声が聞かれることもあります。

実際に、抗生物質は体質により下痢などの症状がでてしまうこともあるため、「できるだけ早くやめたい!」という人もいるでしょう。

しかし、だからといって飲みきる必要がある薬を自己判断でやめてしまうのはご法度。あらかじめ処方される場合もありますが、下痢などの副作用が気になる場合には、医師に相談し整腸剤なども一緒に出してもらいましょう。

自宅に帰ってから迷った時も、薬局などに相談してみることが大切です。

「残薬」は年間500億円にも!

実は、日本で処方された薬を指示通りに飲んでいる人は、2〜3割といわれています。

日本薬剤師会の調査によると、自己判断で飲むのをやめてしまったり、複数の病院で同じ病気に対する薬を重複してもらってしまった薬が残ったりすることで、1年間に無駄になっている薬代は500億円にのぼるとのこと。

いったん治ったと思い、飲み残しをしてしまうと、再び同じ病気になったり、さらに悪化して、治療が長引くことにもつながります。そうするとかえって個人の身体や金銭面の負担となり、ひいては日本の医療費も圧迫してしまいます。

処方された薬は指示を守って飲むことが、健康への近道です。

<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン