「缶コーヒー離れ」してしまった人にこそ知ってほしい、バリスタが丁寧に淹れたコーヒーのような味わいを缶の中にギュッと閉じ込め、缶コーヒーでありながら専門店のコーヒーレベルの理想のおいしさを追い求めているのが「ジョージア ヨーロピアン」です。とは言うものの、実際のところ、どれぐらいのものなのかというのは最終的に自分で飲んでみるまでは判断しづらいのも事実。そこで、このジョージア ヨーロピアンと専門店のレギュラーコーヒーの違いを味わうために作られたのが「COFFEE HOUSE EUROPEAN」。10月30日まで期間限定で東京の虎ノ門ヒルズにオープンしていたので、行って飲み比べしてみました。

ジョージア ヨーロピアン

http://www.georgia.jp/european/

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虎ノ門ヒルズに到着。



森タワー2階にお店の入り口があります。



なんと、飲み比べは感想をSNSに投稿すれば無料で体験できます。



コーヒーの香りに誘われて店内へ。中では多数の人たちがジョージア ヨーロピアンとレギュラーコーヒーとの飲み比べを楽しみまくっていました。



外にあるテラス席でも飲み比べ可能。



メニューはこんな感じ。まずはジョージア ヨーロピアンの「香るブラック(アイス/ホット)」と「熟練ブレンド(アイス)」のいずれかを選びます。



すると、「選んだジョージア ヨーロピアン」と「ジョージア ヨーロピアンが目指したレギュラーコーヒー」の2つがセットで登場。カップはどちらがどちらかわからないようになっているので、いわゆる「ブラインドテスト」状態で飲み比べに挑戦できます。ちなみに、真ん中に置かれている未開封の缶のジョージア ヨーロピアンはそのまま持ち帰って飲めるという太っ腹仕様なのでお得感が高いのもポイント。



実際に飲んでみて違いを実感したあとで、飲み終わったカップの底をのぞくと、答え合わせができるようになっています。



単純に飲み比べをするだけだと「なぜこんな味わいなのか?」という部分が抜け落ちるので、今回はジョージア ヨーロピアンがどんな缶コーヒーなのかをコカ・コーラのマーケティング本部コーヒーカテゴリーシニアマネージャーでありJ.C.Q.A認定コーヒーインストラクター2級の資格を持つ中村愛子さんに聞いてみることに。



GIGAZINE(以下、G):

ジョージア ヨーロピアンは「専門店のコーヒーのような理想のおいしさを追い求めている」缶コーヒーとのことですが、具体的に缶コーヒーと専門店のコーヒーにはどのような違いがあるのでしょうか?

中村さん(以下、中村):

ジョージア ヨーロピアンは2014年に大きくリニューアルさせていただいたのですが、その際に大きくブランドの考え方を変えました。それまでは、割と缶コーヒーを飲まれる方は「缶コーヒーだから好き」で「缶コーヒーしか飲まない」という方が多かったんです。それが、サードウェーブコーヒーが入ってきたりコンビニコーヒーが登場したり、ジョージア ヨーロピアンのようなボトルタイプの缶コーヒーが出たりと、コーヒー市場はどんどん大きくなってきました。それに伴ってコーヒーを飲まれる方はとても多くなってきているのですが、その中で「普段はレギュラーコーヒーを飲むけれど、働いている時には缶コーヒーを飲んでいる」という人も多いことが市場調査でわかってきたんです。そういった人々は、レギュラーコーヒーのバランスのとれた味だったり豆本来の味わいだったりを好んでおり、コーヒーに「後切れの良さ」や「滑らかな口当たり」を求めていることがわかってきました。そこで、ジョージア ヨーロピアンは2014年のリニューアルに際し、レギュラーコーヒーに近い味わいを目指していくというブランドの考え方にチェンジしたわけです。

G:

レギュラーコーヒーの味を再現するためにジョージア ヨーロピアンでは焙煎とドリップの「ふたつの手間」にこだわったとのことですが、どういうことなのでしょうか?

中村:

去年からの進化としては、新しい焙煎方法の「アロマ密封焙煎」があります。コーヒー豆は油分を含んでいるのですが、その油分(コーヒーオイル)の中にコーヒーの香りだったりうま味がたくさん溶け込んでいます。しかし、豆を短時間で焙煎してしまうと豆の細胞が壊れてしまい、コーヒーオイルが漏れ出してしまうという問題がありました。そこで、焙煎をゆっくり手間をかけて行うことで、香りやコク、コーヒー豆本来のうま味を豆の中に閉じ込めることに成功したのが「アロマ密封焙煎」というわけです。「アロマ密封焙煎」では通常の約2倍の時間をかけてゆっくり均一に焙煎を行うので、新しいジョージア ヨーロピアンは豆本来の味わいをより楽しめるコーヒーに進化しています。

G:

「コーヒーオイルが漏れ出さない焙煎」というのを缶コーヒーで再現するのは難しかった、ということでしょうか?

中村:

漏れ出さないではなく、正確には漏れ出しにくいですね。当社の研究開発チームがさまざまな焙煎方法を試していく中で、どうやったらコーヒーオイルが漏れにくくなるのかを研究しています。コーヒー豆には水分があるので急激に焙煎の温度を上げてしまうと細胞壁が壊れてしまうのですが、どういうステップでどれだけの時間をかけてどうやって焙煎するとオイルが漏れ出しにくくなるのか、より良い焙煎になるのか、というところを考えてレシピの開発を行ってきました。

そのアロマ密封焙煎で焙煎したのが左のコーヒー豆で、右のコーヒー豆は従来の方法で焙煎したもの。ツヤツヤした見た目の右のコーヒー豆の方がおいしそうに見えますが、左のコーヒー豆はコーヒーオイルが豆の中にしっかりと残っているので、豆を挽いたときの香りはとても芳醇なものになります。逆に、右のコーヒー豆はコーヒーオイルが漏れ出しており、時間とともにオイルが酸化してしまい雑味やエグ味につながってしまうそうです。



G:

ジョージア ヨーロピアンのもうひとつの特徴である「バリスタハンド製法」についても教えて下さい。

中村:

専門店のコーヒーがおいしい理由のひとつは「熟練の技による手淹れ」です。この「熟練の技による手淹れ」は、細かく温度や時間を管理してドリップするというものなので、これを機械で再現するのはなかなか難しいことでした。しかし、最先端の技術を取り入れることで温度や時間の調整を細かくできるようになり、機械でも「熟練の技による手淹れ」を再現できるようになってきています。これを「バリスタハンド製法」と呼んでいるわけです。なので、「アロマ密封焙煎」で豆に香りやうま味を閉じ込め、それをドリップする際に「バリスタハンド製法」で引き出す、というのが新しいジョージア ヨーロピアンの特徴になります。

G:

「バリスタハンド製法」は抽出温度や時間を細かく調整しているとのことですが、どういうことでしょうか?

中村:

そうですね。コーヒーには、トップノート・ミドルノート・ラストノートというのがあって、最初に甘みや酸味が出てきて、次に良い苦味やコクが出て、最後にエグ味や雑味が出てくるんですね。このラストノートに入ってエグ味や雑味を出してしまうとおいしさを妨げてしまうので、ミドルノートですっぱり抽出を終わらせることが重要であり、このために抽出時間の短縮が行われました。これにより、エグ味や雑味をなるべく感じない、コーヒー豆本来のクリーンな味わいが楽しめるコーヒーに仕上がっています。

G:

「抽出時間を短縮」とだけ言われると簡単そうな印象を抱いてしまうのですが、どのようなハードルが存在したのでしょうか?

中村:

抽出時間が短いと単純にコーヒーの味が薄くなってしまうので、きちんとコーヒーなんだけれども雑味やエグ味などを入れないように工夫しています。専門店で出てくるような「コクがあるけれどそのコクが雑味からくるものではなくてコーヒーの純粋なおいしさからくるもの」となるように抽出する、引き出すというところですね。



G:

「アロマ密封焙煎」と「バリスタハンド製法」を確立させるまでには何度も何度も試作を重ねてきたと思います。監修の猿田彦珈琲さんからもなかなか良い反応が得られず、トライ&エラーを繰り返したという話も伺いました。

中村:

味の設計をする際に監修の猿田彦珈琲さんに入ってもらい、どういう方向性がいいかディスカッションし、そのあとに「こういう風な味のコーヒーをどう再現していくか?」という部分を考えました。やはり専門店でコーヒーを数杯分作るのと、缶コーヒーの製造で大量に作るのとでは似たようなやり方なんですが違う設計の仕方をしなくてはいけなくて、そこはとても試行錯誤した部分でもあります。なので、味を決めた後はさまざまな条件を試し、「どれが1番再現できているか」というところを弊社の開発で行い、試作品としてできあがったものを監修の猿田彦珈琲の方々と飲みました。そして、「もうちょっとこうじゃないか?ああじゃないか?」というところをディスカッションして、最終的な味の設計を行っています。もう最後の方は一週間に2回ほどお会いして試飲してもらっていましたね。

豆のブレンドの割合や焙煎の度合いで我々としてはベストのものを持っていくのですが、実際に飲んでいただくと「雑味がでちゃうね」だとか「ちょっと香りが弱いね」などの意見が出てきます。そういった諸々の試行錯誤を含めると、合計で200種類以上の試作品の中からベストのものを選んでもらった形になります。さらに、そうこうしてできあがったコーヒーをお客様がどのようにとらえるかはわからないので、お客様にテイスティングしてもらい反応を見るということも行いました。

また、「熟練ブレンド」に関しては砂糖やミルクの入ったコーヒーになるので、甘さの残り方だとかをかなり工夫しています。「熟練ブレンド」は、「ブラックコーヒーに砂糖とミルクを少し入れて飲むならこのバランスがベストだろう」というものに仕上げているので、後残りや砂糖の甘さの具合などをインプットしていただいて、きちんとヨーロピアンシリーズの「滑らかな口当たり」と「雑味のない味わい」を担保できているかを、猿田彦珈琲の店主である大塚さんに監修してもらっています。



G:

試飲してもらったものの数が約200種類ということですが、実際に試作したものの数はそれ以上ということでしょうか?

中村:

そうですね。試作品として仕上がったものは200種類ですが、焙煎の段階などでもかなり試行錯誤を重ねているので、最終製品の味としてというところではないかもしれませんが、倍以上はあると思います。

G:

これまでも何度か飲み比べができる会を開催してきたと思うのですが、実際の反応はどうでしょうか?

中村:

COFFEE HOUSE EUROPEANを実施する前にジョージア ヨーロピアンとレギュラーコーヒーを飲み比べてもらったのですが、その際は「違いはわかるけど、どちらがどちらかはわからない」という方も結構な数おられました。我々としてもここ3年ほどやってきた中で理想の味に近づけてきたかなという実感があるので、是非1度飲んでいただいて確かめていただければと思います。

また、今までこういったお店(COFFEE HOUSE EUROPEANのような飲み比べが可能な店舗)を行ってきた中で、昔に缶コーヒーを飲んで「嫌だ」と感じた人が、「缶コーヒーを再び飲んでみよう」となるきっかけがほとんどないことも知りました。そういった中でこういったイベントを行うと、缶コーヒー離れしていた人たちから「自分の思っていた缶コーヒーと全然違う!」という反応をいただいたりして、そういった反応は我々としても「やっててよかったな」「頑張らなきゃ」というところにつながっていますね。

G:

飲み比べ……してみたいですね。

中村:

「香るブラック」に関してはガツンとした味わいではなく、バランスのとれた豆本来の味わいが楽しめるものになっています。そして「熟練ブレンド」は、通常の微糖製品などとは違って、ブラックコーヒーにほんの少し砂糖やミルクを加えて飲まれる方に向けて出している製品です。なので、「熟練ブレンド」はブレンドコーヒーやレギュラーコーヒーを頼んで砂糖やミルクを自分で入れて飲まれる方向けの製品になっています。飲み比べは「当てっこ」というよりは、我々が目指している味わいにどれくらい近づけているのかを確かめるためにやってみてほしいですね。先入観なく楽しんでいただければと思います。



というわけで、ここからはCOFFEE HOUSE EUROPEANで実際に試飲できるジョージア ヨーロピアンの「香るブラック(アイス/ホット)」と「熟練ブレンド(アイス)」の3つをそれぞれが目指した理想のレギュラーコーヒーと飲み比べしてみます。



まずは「香るブラック」のホットから試飲。



カップの見た目はまったく同じですが、実際に飲んでみると確かに2つのコーヒーの味には違いがあります。最初に飲んだ方のコーヒーは苦味と一緒にこうばしく華やかな香りが口の中に一気に広がるのですが、口当たりは驚くほどなめらかで酸味やエグ味はほとんど感じられずクセのないコーヒーといった感じ。もう一方のコーヒーは苦味や香りは最初の方と似ているのですが、飲み比べると独特のコクと酸味がかなり強く感じられます。



飲み終わってからカップを裏返すと、最初に飲んだ後味がすっきりして飲みやすい方がジョージア ヨーロピアンでした。



続いて「香るブラック」のアイスを飲み比べてみます。



「香るブラック」はホットからアイスになっても味のバランスはほとんど同じで、まろやかな口当たりと豊かな香りと苦味、コーヒー独特の酸味はほとんど感じられず、驚くほどクセのない飲み口が印象的です。ホットの方がアイスよりも強く香りを感じられるのですが、「香るブラック」はレギュラーコーヒーと比べても遜色ない豊かな香りを楽しめるのも特徴的でした。



最後は「熟練ブレンド」のアイスを飲みます。



カップのフタを取ってみると色味がかなり違うのがわかりますが、程よい苦味とまろやかな口当たり、ほんのり感じる甘みとコーヒーとミルクのやさしい香りにはほとんど違いを感じられません。「香るブラック」ではコクと酸味の2つでレギュラーコーヒーとの違いがわかったのですが、「熟練ブレンド」では明らかに理想のレギュラーコーヒーの味に近づいており、もはや2つの違いがわからないくらいのレベルに仕上がっています。



「ブラックコーヒーは苦すぎる」と思っている人はもちろん、「缶コーヒーの微糖は甘すぎる」と感じている人にもオススメな缶コーヒーです。



飲み比べをしながら店内を見渡してみると、複数人でやってきてあれやこれやと意見を言い合いながら試飲を楽しんでいる人や……



1人でじっくり飲み比べしてジョージア ヨーロピアンの進化を実感している人までさまざま。注文しているジョージア ヨーロピアンはだいたい6対4くらいで、若干「熟練ブレンド」の方が多く出ているかな、という感じでした。



COFFEE HOUSE EUROPEANの開催期間は10月24日から10月30日までなのでもはや店舗で飲み比べをすることはできません。しかし、実際に店舗に出向くことができなかった人でも、ジョージア ヨーロピアンと紙コップ、それに比較してみたいコーヒーを用意すれば手軽に飲み比べできるので、コーヒー好きで集まってあれやこれやと意見を言い合ってみるのも楽しそうです。



実際にどのカップに何が入っているのかわからない状態で飲み比べしてみた感想としては、「2つのコーヒーの違いはわかるけれど、どちらがレギュラーコーヒーでどちらがジョージア ヨーロピアンなのかはなかなか判別がつかないくらいのレベルに仕上がっている」というもの。特にミルクや砂糖の入っている「熟練ブレンド」はレギュラーコーヒーと比べてもほとんど差がわからず、種明かしされてから飲んでみても「むしろこちらの方がおいしいのでは……?」と思ってしまうくらいのクオリティーでした。ジョージア ヨーロピアンがこれだけのクオリティーを缶コーヒーで実現しているからこそ、無料で飲み比べができる店舗をオープンするという驚きの企画を実施できるわけで、実際に店舗には行けなかったけれど気になる……という人にはぜひとも1度飲んでみてほしいものになっています。

なお、COFFEE HOUSE EUROPEANでは無料でコーヒーが飲めたわけですが、お代は「#ヨーロピアン驚きの体験」というハッシュタグ付きでTwitterやFacebookでジョージア ヨーロピアンについてコメントを投稿すればOKとなっていました。つまり、「#ヨーロピアン驚きの体験」のハッシュタグで検索すれば、COFFEE HOUSE EUROPEANで飲み比べにチャレンジした人たちによる忌憚のない意見を垣間見ることができるという、かなり自信がなければできないことをやってのけているわけです。

ジョージア ヨーロピアン

http://www.georgia.jp/european/