「白紙領収書不正」は民間の経理基準で簡単に防止できる

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全国の地方議会で相次いでいる政務活動費の不正問題。話題の書『経理部は見ている。』の著者が、適正運営のための改革案を示す。

問われる地方議員のモラル

 富山市議会における政務活動費(政活費)の不正問題は、定数40人のうち12人の議員が辞職する事態に発展。昨日11月6日に補欠選挙が行われて新たなメンバーが確定した。

 政活費の不正の手口は、業者から白紙領収書をもらい受けて自ら金額を書き込み請求、領収書の金額欄に数字を加えて一けた金額を水増しする、なかには自らパソコンで領収書を自作した例もあった。市議会全体で過半数の22人が計4028万円余を市に返還することになっているという。

 同様の不正は全国の地方議会でも相次いでいることが報じられていて、地方議員のモラルが問われるとともに、チェック体制の欠如が浮き彫りになっている。

 実は私は、この9月に発刊した『経理部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)を執筆するにあたって、経理部員は精算表や領収書をどのようにチェックしているのかを通じて組織と社員の関係を明らかにしようとしていた。その発売の直前に、富山市議会における政活費の不正問題がマスコミで報じられるようになった。同じ経費でも一般企業と市議会とではこれほど取り扱いに落差があるのかと驚いた。

 ここでは政活費のチェック体制について、今までのマスコミの議論や一般企業の経費チェックの実情も踏まえながら具体的な提案を行いたい。

 今回の不正問題に対する対応策として挙げられているのは、主に領収書のネット公開である。増田寛也・東京大学公共政策大学院客員教授も新聞紙上で「ネット公開をすれば不正に気づきやすいし、議員もいつかは見破られるという緊張感を持つ。ただ、これだけ問題になってくると、公認会計士による外部監査も必要になる」と指摘されている。

 確かに、このような形で議員にプレッシャーをかけるやり方も有効であろう。しかしチェックが事後的になるので、地方議員の規範意識に対する訴求力はそれほど期待できない。またすべての領収書を公開するとなると、閲覧の手続きを具体的にどうするのか決めなければならず、領収書を広く公開した場合の副作用も一定程度は考慮しておく必要はあるだろう。

 実際に日本経済新聞社の調査では、政活費の領収書をホームページで公開しているのは、都道府県と市区の議会の7.4%にとどまっている。

 もちろんこのような事後的なチェックも必要ではあるが、やはり支出する前でなければ、適切な運営を確保する改善策につながらない。本丸はあくまでも事前チェックを前提とした仕組みづくりである。

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