合宿初日の練習で汗を流すDF槙野智章

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 1-1の引き分けに終わった10月11日のアウェーでのオーストラリア戦。そのあまりにも守備的な戦い方については、試合後、チーム内でも攻撃陣と守備陣に意見の違いが出た。その事実をDF槙野智章(浦和)は認めつつ、きっぱり言い切った。

「内容を求められるのは分かっているが、大事なのはまずは結果。W杯に行くため、切符を手にするため、しっかりと勝ち点3を取るためのゲーム運びをしないといけない。結果を出して、その次が内容になる」

 左サイドバックとして先発したオーストラリア戦では、攻撃参加を自重して1対1の対人守備で持ち味を発揮しつつ、守備のオーガナイズにも率先して関わった。左サイドハーフのFW原口元気にコーチングし、守備に参加させたのはその表れだ。PKによる失点はもったいなかったが、オーストラリアにはほとんど攻撃のリズムをつくらせなかった。

 一方で、試合後の取材エリアでは攻撃陣から不満の声が相次いだ。オーストラリア戦で1トップに入ったFW本田圭佑が「ぶっつけ本番だった」とやるせなさそうに繰り返し、MF香川真司は「これ以上やれることはなかった」と苦渋の言葉を振り絞った。

 攻撃陣のフラストレーションについては、ロッカールーム内の選手同士のやりとりでも同じように見えていたという。本田や香川は「DFラインをもっと押し上げてくれ」と注文。反対に守備陣は「前のほうがもう少し下がってコンパクトにしてくれ」という意見だった。

 ただ、これらはすべて面と向かい合って言ったこと。槙野は「前の選手はもう少しゴールに近い位置でプレーしたいとか、ゴールを取りに行くプレーをしたいとか言っていたが、そういう不満や要求をチーム内でぶつけるのはポジティブ。僕らはそういう中でもまとまってやらないといけない」と、活発な意見交換で苦境を脱しようとしていることを明かした。

 親善試合のオマーン戦はW杯アジア最終予選でグループ首位に立つサウジアラビアとの戦いで勝ち点3を取るための重要な試合だ。「勝つことによって内容の部分、攻撃の部分につながっていく。オマーン戦はチームの士気を高めるための大事な一戦。単なる親善試合にしてはいけない」と槙野。質より実を取ることが先決と強調した。

(取材・文 矢内由美子)


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