練習中にハリルホジッチ監督から指示を受けるMF小林祐希

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 その“進化”は本人も周囲も認めている。6月のキリン杯以来の代表復帰となった日本代表MF小林祐希(ヘーレンフェーン)は6日、帰国すると、同日夕の練習からさっそく合流し、ランニングなど軽めのメニューで調整した。

 練習中にはピッチ中央で通訳を挟んでハリルホジッチ監督と話し込む姿もあった。「海外でいい経験をして伸びていると。さらに1ランク、2ランク上に行くためのアドバイスをもらった」と、指揮官との会話を明かした。

「具体的には守備のときの寄せる距離はもっと縮められると。パスのテンポ、ビジョンもいいけど、時には自分で持ち上がってワンツーからシュートとか、そういうのがあってもいい。いい左足を持っているから、それを出してもいいんじゃないかと言われた」。指揮官の言葉を詳細に語る小林は「そこは今の代表にも必要なことだと思う」とニヤリと笑った。

 磐田時代はトップ下だったが、今夏に加入したヘーレンフェーンではボランチや左インサイドハーフなど1列低い位置でプレーしている。「日本にいたころと変わったのは、スプリントの回数、カバーリングの意識、空中戦の競り合い。その3つには手応えもあるし、戦えている実感もある」。ヘーレンフェーンでは8試合連続先発中だが、ゴールやアシストという目に見える結果はまだない。だからこそ、このタイミングでの代表復帰がうれしかった。

「前回はJ1で5ゴール7アシストとか結果を残して呼ばれた。今回はゴールもアシストも一つも付いていないのに呼ばれた。他の部分の成長を認められたから呼ばれたということ」

 オランダに渡っても小林らしいビッグマウスは健在で、むしろオランダでは「こんな生意気な選手がいるんだ」という新鮮な刺激を日々受けている。「スタメンに年上は3人ぐらい」という若いチームながら、「毎日、一人は監督と喧嘩をしている。日本での俺なんて全然普通じゃんって。ベテランの選手がゴールを動かしているのに、若手がボールに座って紐を結んでいたりする。『お前がやれよ、俺は点を取ってるんだから』みたいな感じで」と、楽しそうに笑った。

 A代表初選出となった6月のキリン杯決勝ボスニア・ヘルツェゴビナ戦に途中出場し、代表デビューを果たしたが、その後は代表から遠ざかっていた。それでも「一回呼ばれたぐらいで、2回、3回と続けて呼ばれるような、代表はそんなに簡単な場所じゃない」と焦りはなかった。

 同時に、その間の代表戦については「こんなことを言うと小林祐希らしくないかもしれないけど、代表が気になっちゃって。全試合、全部しっかり見た」と素直に認める。「ファンの目線、選手の目線、指導者の目線。すべての目線で見ていた」と、食い入るように映像を凝視した。

 初戦のUAE戦でまさかの黒星を喫したハリルジャパンの姿には「アジアってこんな難しいんだなと感じたし、自分が入ったらこういうプレーができるなというのはイメージしながら見ていた」という小林。2勝1分1敗のB組3位と厳しい戦いが続く現状の“救世主”になるという野心も当然ある。「チームがうまくいっていないとき、最終的に頼られるのは我が強い選手。あいつなら何とかしてくれると思わせる選手。小林祐希なら何か変えられるのではないかと思われるようになりたい」。前を見据えて、ハッキリと言い切った。

(取材・文 西山紘平)


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