Doctors Me(ドクターズミー)- 【糖尿病リスク高】昼寝40分以上でメタボ・心血管系疾患も

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みなさんは、昼寝(シエスタ)をしていますか?
昼寝には、「日中の集中力が維持できる」「夜の睡眠によい影響を与える」などの効果があるとされおり、最近ではグーグルやナイキなどの一流企業でも積極的に採用されています。

そんなスゴい効果がある昼寝ですが、正しい方法で行わないと、だるさが増してやる気が出なくなってしまうこともあるので注意が必要。しかも、とある研究報告では「長時間の昼寝は2型糖尿病にかかるリスクが高まる可能性がある」という指摘もあるのです。

そこで今回は、よい昼寝をするための理想的な条件、そして昼寝と糖尿病の関係についてご紹介します。

“よい昼寝”は、深い睡眠に入る前に起きられるかで決まる

まずは、昼寝についておさらいしてみましょう。

睡眠の研究者によれば、20〜30分の昼寝で、乱れた概日リズムを整えたり、寝不足が原因で起こるさまざまな内分泌異常を調整したりする働きが期待できるのだそう。逆に20〜30分以上の昼寝は、深い徐波睡眠に入り、通常の睡眠サイクルの途中で起きることになってしまうので、「睡眠慣性(または睡眠酩酊)」が発生。睡眠から覚醒状態に上手に切り替わらず、昼寝から目覚めたときにぼんやりして疲労感が残ります。
通常15〜30分、長い場合は4時間ほど続き、仕事のパフォーマンスが全体的に落ちる、単純作業でもミスをしやすくなるといった悪影響が。

つまり“よい昼寝”とは、昼寝の時間を深い睡眠に入る前(20〜30分程度)までに収めることが必須条件。それ以上の時間になると、体内時計を整えたり、睡眠不足を補ってスッキリしたりする効果も望みにくい、ということになります。

糖尿病など病気のリスクが高まらない昼寝のボーダーラインは30分

続いては、昼寝と糖尿病の関係についてのお話です。

冒頭で紹介した「長時間の昼寝は2型糖尿病リスクが高まる可能性がある」という理由は、東京大学の糖尿病・代謝内科研究チームが行った、アジア・欧米の被験者307,237人が関わった21の研究結果に基づきます。さらにこの研究結果をベースに、昼寝の時間や日中の眠気に関するデータを分析し、米国心臓病学会(2016年第65回)にて発表された内容によると、以下のことが判明したと言います。

40分以上の昼寝でメタボリックシンドローム(代謝症候群)のリスクが増加し、40分未満の昼寝では増加しない
昼寝時間が30分未満の場合は、メタボリックシンドロームのリスクがわずかに減少する
昼寝時間が90分になるとリスクは50%増加(加えて日中の疲労感が取れないという症状が見られる)

また、2015年に『Sleep』誌に掲載された同じ研究チームの別の研究では、1時間以上の昼寝時間で心血管系疾患リスクが82%、全死因による死亡率が27%増加したこと、さらに、同年の欧州糖尿病・肥満学会の発表では、昼寝をする被験者が過労を起こしている場合、1時間以上の昼寝で糖尿病リスクが46%増加することも報告されています。

驚くことに、これらの研究報告はいずれも長時間の昼寝が糖尿病をはじめとした病気のリスクを高めるという結論で一致しています。(※1)。その効果のメカニズムについては、まだまだ解明されていない昼寝ですが、あえて正しい昼寝を定義づけるのなら「30分未満の昼寝」といえそうです。

正しい昼寝をすれば疲労感は起こらない!

糖尿病やメタボリックシンドロームは、すぐにその症状が現れるわけではないので、長時間昼寝をしてしまったからといって、早々にそのデメリットを感じることは少ないかもしれません。ただし、昼寝後に頭がぼんやりする、スッキリしないといった「睡眠慣性」の症状がある場合は要注意。ノンレム睡眠時に目を覚ますことができるよう、深い睡眠に入ってしまう前に起きる、睡眠時間を30分以内に収めるということが重要になります。
ちなみに、睡眠慣性を感じたら、太陽光をたっぷり浴びることで症状が緩和するそうなので、もしものときはお試しください。

短時間の昼寝には高いメリットがある一方で、長すぎる昼寝は病気のリスクが高まる…。これは、ぜひとも心に留めておきたいことですね。昼寝はダラダラせず、30分以内に収める。それさえ守れば、昼寝のスゴい力の恩恵を受けられるはず!

※1 American College of Cardiology
Long-Naps, Daytime Sleepiness Tied to Greater Risk of Metabolic Syndrome
※2 Valley Sleep Center
12 Facts About Sleep Inertia