フォーブス選定、次世代のユニコーン25社 「ミレニアル世代のコストコ」他

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スタートアップは、アメリカ経済の成長エンジンだ。エアービーアンドビーやウーバー、スナップチャットの登場で人々の暮らしやコミュニケーションのあり方は大きく変わった。

フォーブスは昨年に続き、次世代のユニコーンとなり得る米国のスタートアップ企業25社を選出した。クラウドファンディングサイトを運営する「GoFundMe」は、ユニコーンに最も近い企業の一つ。「Fuze」はコミュニケーションを統合する”ユニファイド・コミュニケーション”の分野で急成長中の企業。また、「Sisense」はGEやターゲットなどの大手企業にビッグデータ解析用のソフトウェアを販売している。「Boxed」はモバイルアプリを使って日用品をバルク買いできるサービスを提供し「ミレニアル世代のコストコ」と呼ばれている。

以下に25社のうち12社の事業内容の詳細を紹介する。

Boxed
資金調達額:1億3,300万ドル
2016年の推定売上高:1億ドル以上
主要株主:DST Global、GGV Capital

アプリとウェブサイト経由で日用品のバルク売りを行っている。2013年にニュージャージー州でサービスを開始し、現在はニューヨークに本拠を置く。売上高は2年前の800万ドルから1億ドルに急成長した。「消費財の小売りは経済規模が非常に大きいにも関わらず、EC化率は1.5%に過ぎない。これは明らかにおかしい」と創業者のチー・フアン(35)はフォーブスのインタビューで述べた。

Checkr
資金調達額:5,000万ドル
2016年の推定売上高:1億5,000万ドル
主要株主:アクセル・パートナーズ、Yコンビネータ

身元確認レポートをウーバーやインスタカート、ワービー・パーカーなどに提供している。企業の採用システムとAPI連携し、顧客は迅速に身元確認を行うことができる。2014年に設立。現在は90名以上の社員を抱え、顧客数は4,000社を超える。創業者のダニエル・ヤニセ(28歳)、ジョナサン・ペリション(26歳)はフランス出身。オンデマンド・デリバリー企業のDelivで配達員の身元確認を行っていたときにCheckrのビジネスモデルを思い付いた。「従来の身元確認サービスは、テクノロジーもユーザーインターフェースも質が低く、もっと優れたサービスが提供できると考えた」とヤニセは述べている。

ClassPass
資金調達額:8,400万ドル
2016年の推定売上高:1億8,000万ドル
主要株主:グーグル・ベンチャーズ、ゼネラル・カタリスト・パートナーズ、スライブ・キャピタル

定額制のフィットネス利用サービスで、利用者は様々なクラスを無制限に利用可能。全米31都市で展開し、米国外ではイギリス、カナダ、オーストラリアの8都市で展開。これまでに累計で2,000万以上ものクラスが予約された。創業者でCEOのパヤル・カダキア(33歳)はMIT卒でインドの伝統舞踊を本格的に学んだ経験がある。ニューヨークでダンス教室を探すのに苦労した経験からClassPassの事業モデルを思い立ち、2013年にサービスを立ち上げた。

Doppler Labs
資金調達額:5,000万ドル
2017年の推定売上高:1億ドル
主要株主:アセキア・キャピタル、チャーニン・グループ、ワイルドキャット・キャピタル・マネジメント

Doppler Labsは耳栓型のウェアラブルデバイスの普及を目指している。新製品の「Here One」は、野球観戦中に1球ごとの解説を聞いたり、眠りにつきやすいように周囲の音量を調節できるなど、耳のためのAR(拡張現実)を実現した。「全ての人の耳の中にコンピュータを入れたい」とCEOのノア・クラフト(29歳)は述べている。

Fuze
資金調達額:2億ドル
2016年の推定売上高:1億5,000万ドル以上
主要株主:ベッセマーベンチャーパートナーズ、TCV、サミット・パートナーズ

音声やビデオ、メッセージングなどをクラウド上で統合的に扱うことができるユニファイド・コミュニケーションを企業向けに提供している。「従来は使い勝手が悪いアプリケーションに頼らざるを得なかったため、我々はよりユーザーフレンドリーなソリューションを提供したいと考えた」とCEOのスティーブ・コキノス(41歳)は述べている。Fuzeは、マサチューセッツ州ケンブリッジで10年前に設立された。

GoFundMe
資金調達額:3億ドル以上
2016年の推定売上高:1億ドル

カリフォルニア州が本拠の世界最大のクラウドファンディングサイト。個人的な事情で資金が必要になった人が寄付を募ることができる。同社は集まった資金の5%を徴収する。それ以外にクレジットカード決済手数料2.8%と、1ドル当たり30セントがユーザーに課せられる。2010年の設立から5年間で寄付総額は10億ドルを超え、今日までにさらに約20億ドルを集めた。2015年6月時点での評価額は6億ドルとされる。

Guardant Health
資金調達額:2億ドル
2016年の推定売上高:3,000万ドル
主要株主:コースラ・ベンチャーズ、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ、OrbiMed Advisors、セコイア・キャピタル

生検による痛みやリスクを避けたい患者のために、血液を使ったテストを提供している。「リキッド・バイオプシー」と呼ばれるこの手法は2014年に開発され、血液中を循環する微量のがん細胞を遺伝子解析することで病気の進行具合を調べたり、遺伝子変異に応じた薬を投与することが可能になる。同様のテストを提供する企業は数多いが創業者でCEOのEltoukhy(37歳)によれば、Guardantは95%のシェアを握っているという。本社はカリフォルニア州レッドウッドシティ。現在の社員数は190人だが、急激に増えているという。テストの費用は5,800ドルだが、患者の保険プランに応じて負担額が変わる。

HotelTonight
資金調達額:8,100万ドル
2016年の推定売上高:6,000万ドル
主要株主:Coatue、バッテリー・ベンチャーズ、USベンチャー

モバイルアプリとウェブサイトで、ホテルの直前予約サービスを提供している。創業者のサム・シャンク(43歳)は5年前にサンフランシスコでHotelTonightを設立した。創業のきっかけは、ホテル検索をして500件もの結果が表示されるよりも、厳選された15施設を紹介してほしいと考えたことだという。同社はホテルから得た割引価格に20%程度の利益を上乗せして販売している。現在は北米とヨーロッパの2,500都市でサービスを展開。来年にも上場が予想されている。

Mark43
資金調達額:4,100万ドル
2017年の推定売上高:1,500万ドル以上
主要株主:ゼネラル・カタリスト・パートナーズ、スパーク・キャピタル

警察向けに業務を効率化するためのソフトウェアとデータ解析サービスを提供している。最近ではロサンゼルス郡警察の5つの部署に製品を納品することが決まった。CEOのスコット・クラウチ(25歳)はハーバード大学時代に2人の友人とMark43を創業した。3人ともフォーブスの「30アンダー30」に選出されている。

Opendoor
資金調達額:1億1,000万ドル
2016年の推定売上高:5,000万ドル以上
主要株主:アクセス・インダストリーズ、GGVキャピタル、コースラ・ベンチャーズ

新しい手法で住宅売買を行うスタートアップ。アメリカでは毎年550万人もの人が自宅を売りに出しているが、不動産ブローカーとの交渉や内覧など手間が多く、いつ売れるかわからない不安もあって苦痛に感じる人が多い。サンフランシスコに本拠を置くOpendoorは、こうした状況を変革しようとしている。同社は、テクノロジーを駆使して適正な販売価格を算出し、売り手が平均8%の手数料を支払えばすぐに買い取ってくれる。

Owlet Baby Care
資金調達額:1,500万ドル
2016年の推定売上高:2,000万ドル
主要株主:Azimuth Ventures、Eclipse、ff Venture Capital、Eniac Ventures

赤ちゃん用の健康モニターを製造している。創業者のカート・ワークマンは現在27歳。「パルスオキシメトリ」という技術で赤ちゃんの酸素飽和度を計測し、呼吸や心拍数の異常を親に知らせるセンサーを開発した。靴下とモニターが一体になった製品を250ドルで販売している。「Owletはチャイルドシートや体温計と同じように赤ちゃんの命を守り、アルゴリズムを用いて乳児ケアを行うデバイスだ」とワークマンは話す。

Sisense
資金調達額:9,400万ドル
2017年の推定売上高:5,000万ドル
主要株主:ベッセマーベンチャーパートナーズ、DFJ Growth

企業が、製造効率や在庫水準、返品率などの改善を図るためのBIツールとデータ分析ソフトウェアを提供している。モトローラ、ゼネラルエレクトリック、ターゲット、ロッキード・マーティンなど大手企業をはじめ、多くの中小企業もSisenseのツールを導入している。2005年にテルアビブで設立され、現在はイスラエルとニューヨークに事務所を構えている。「スタート時には5人のメンバーと犬だけで、自宅のガレージで大きな夢を思い描いていた。2010年にソフトウェアをリリースしてから急成長した」とCEOのAmir Orad(41歳)は話す。

以下、企業名、分野のみ掲載13社。

BitSight Technologies(セキュリティ関連)
Collective Health(ヘルスケア関連)
Freshdesk(カスタマーサポート関連)
Gigster(エンジニアの外注プラットフォーム)
InVision(ウェブサイトやモバイルアプリ向けのプロトタイピングツール)
Procore Technologies(建設プロジェクト管理)
Rubicon Global(廃棄物処理)
Rubrik(データ管理)
Sumo Logic(ログ分析)
ServiceMax(フィールドサービス業務支援)
Talkdesk(コールセンター向けシステム)
Tenable Network Security(セキュリティ関連)
Yapstone(電子決済関連)

今回のリストの作成に当たり、フォーブスは設立9年目のベンチャーキャピタル、TrueBridge Capital Partnersの協力を得た。エントリーは専用URLから受け付け、企業からは売上実績と直近の評価額等、事業の詳細に関する資料の提出を求めた。その後、創業者や株主、顧客らとの面談を通じて絞り込みを行なった。