妊娠中は落ち込むことが多い

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赤ちゃんを授かり、嬉しいはずの妊娠中に暗い気持ちになる「妊娠うつ」。妊婦の1〜2割がかかるといわれるが、愛媛大学と東京大学の合同チームが、納豆や豆腐などの大豆食品をたくさん食べると、予防効果が期待できるという研究をまとめた。

研究成果は、欧州医学誌「European Journal of Nutrition」(電子版)の2016年10月15日号に発表した。

妊婦の4%が深刻な精神疾患、自殺する人も

妊娠うつは、妊娠によって女性ホルモンのバランスが変化したり、周囲からプレッシャーを受けたりして起こる。主な症状としては、涙もろく落ち込みやすくなる、イライラする、無気力になり何事にも興味がなくなる、眠れない、疲れる、食欲がなくなるなどがある。

2016年5月に厚生労働省研究班が発表した調査によると、医師へのアンケートの結果、「全国の妊婦の約4%が、精神的な病気で専門医の治療が必要」なほど深刻な状態におかれていることが分かった。また、同年4月24日付毎日新聞は、「2005?2014年の10年間に、東京23区で計63人の妊婦が自殺したことが東京都監察医務院などの調査で分かった」と報道した。妊婦にとって大変な病気なのだ。

愛媛大学の発表資料によると、研究チームは、1745人の妊婦を対象に日ごろどんな食生活を送っているかアンケートを実施した。その中でも特に納豆、豆腐、大豆煮物、みそ汁などの大豆製品に注目し、摂取量の多い順に4つのグループに分け、うつ病との関連を分析した。

調査期間中に339人(19.3%)がうつ病を発症した。摂取量が多いほどうつ病の発症率が低くなる傾向を示し、一番多く食べたグループの発症率は、一番少なかったグループに比べ、37%も低いことが分かった。

大豆のイソフラボンが女性ホルモンの働きを

大豆に豊富に含まれるポリフェノール(植物由来成分)の一種イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ており、同じような働きをする。このため、妊婦の健康や美容を支える効果があることが発症率を下げているとみられる。

ただし、同じ大豆製品でも豆乳の場合は、摂取量が違ってもうつ病の発症率にはほとんど差がなかった。また、みそは摂取量が多いほど逆に発症率が高まったという。豆腐や納豆をたくさん食べることが大切だが、みそ汁を飲み過ぎることは控えた方がいいかもしれない。