キム・ユジョン「全ての苦痛が帳消しになるくらい『雲が描いた月明かり』の現場は幸せだった」

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キム・ユジョンはKBS 2TV「雲が描いた月明かり」(脚本:キム・ミンジョン、イム・イェジン、演出:キム・ソンユン、ペク・サンフン)で、明るい微笑みを絶やさず、他人まで浄化する力を持つ男装内侍(ネシ:王の世話や重臣への情報伝達をする者) ホン・ラオンと、家族がバラバラになり、愛する人と向かい合うことができない苦しい状況の中で涙を見せるホン・ラオンを演じた。

女優キム・ユジョンはカラーの違うホン・サムノムとホン・ラオンを、没入感の高い感情表現で完成させた。ドラマの放送終了後、インタビューに応じたキム・ユジョンは、明るいホン・サムノムの雰囲気が漂っていた。彼女は特に愛着のあったキャラクターについてじっくりと考え、十分に噛みしめながら、質問に答えた。ホン・サムノムを思わせる豪傑な笑い声も絶えなかった。

―馴染んでいたホン・ラオンとお別れした。

キム・ユジョン:まだ実感がない。撮影が終了して放送も終わって、サイン会もして、褒賞休暇にも行ってきた。ずっと「雲が描いた月明かり」のスタッフや俳優と会っているからかもしれない。

―ドラマの話題で、体感する人気がはるかに高まったようだ。

キム・ユジョン:撮影をしている間は、外の反応を感じることができなかった。ただ私達の雰囲気は良かった。特に3話が放送されてから視聴率が2倍に跳ね上がったが、その時に力をたくさんもらった。

―特に暑い夏だった。胸にさらしを巻いて韓服まで着なければならなかった。

キム・ユジョン:暑さで大変ではあった。それでも私よりスタッフの皆さんのほうが重い装備を運ぶので、すごく苦労されたと思う。私は胸に巻いた包帯のせいで、ご飯を食べるとよく胃もたれしてしまい、ご飯を食べられなくて、途中途中でつまみ食いをしていたことを思い出す。今考えてみれば身体は大変だったみたいだが、その全ての苦痛が帳消しになるくらい、現場は幸せだった。

―苦労したようだが、ホン・サムノムというキャラクターが初めて登場した時とても愛らしかった。

キム・ユジョン:演技をしながらもとてもおもしろかった。サムノムは、男を真似る子ではなくて、本当に男として生きてきた人物だ。私もまた少年だと思って演技した。以前「秘密」や「アングリ―ママ」では重い役を演じて、私もまた憂うつになったりしたが、サムノムを演じてエネルギーをたくさんもらった。サムノムのように明るくなった。いつまでも大事に保管したいキャラクターだ。

―ストーリーが進むにつれて、ホン・サムノムよりホン・ラオンの立場が浮き彫りになった。性格が変わってしまった。

キム・ユジョン:状況が乱れていたからホン・ラオンの感情が深くなった。惜しい部分だ。ホン・サムノムの能動的で明るいキャラクターが消えるようで悲しかった。

―ホン・ラオンの行動の中で、理解し難かった部分もあるか?

キム・ユジョン:ラオンが檻に閉じ込められた父親に会いに行く場面。私が感じるには、ヨンとラオンの感情はとても深かった。敵として出会って友となり、心が通じるになるまで感情がしっかり募っていったから。だから私だったらヨンに被害を与える行動をしなかったと思う。ラオンが度々ヨンを危険に陥れるので、私としては訳が分からなかった。

―それでも“サイダー(爽快な)展開”だったのは、女という事実を知ることになったイ・ヨン(パク・ボゴム)の態度だ。男装女子が出てくる普通のドラマとは違った。

キム・ユジョン:監督もそんなことをおっしゃっていた。男主人公が怒るのではなくて「よっしゃ〜」と本格的に恋愛をするのだ(笑) この部分でも残念だった点はある。原作ではヨンがラオンの性別を知るようになった後、ラオンには知らないふりして、さらに積極的にからかう場面が多いが、ストーリー展開のせいで早く過ぎてしまった。

―「雲が描いた月明かり」の中で、キム・ユジョンのアクションもおもしろかった。

キム・ユジョン:ビョンヨン(クァク・ドンヨン)、ユンソン(B1A4 ジニョン)、ヨンのようにかっこいいアクションではなかったが、現場では私が“アクションが一番上手な役者”という冗談混じりの称賛も聞こえてきた。生活の中のアクションをたくさんした。鶏を捕まえて、穴にも落ちて、木にぶらさがって。カッコいいアクションではなくても生活の中で倒れる危機がある時、反動力を利用できないだろうか。特に鶏を捕まえるのは、3日間小石を投げて倒れながら撮影したのに、屋根の上に上がるシーンしか流されなくて残念だった。

―惜しい部分が次々と思い出されると言うことは、それだけドラマに愛着があったようだ。どっぷり浸かっていたと感じられる。

キム・ユジョン:「雲が描いた月明かり」には人物ひとりひとりの感情が生きていた。そうするうちに私の感情もまた深くなり、泣かなくても良い場面で涙を流すことも多かった。序盤から涙をよく流すので、監督から「後でもっと泣かなければならないから、泣かないで明るい雰囲気を楽しめ」と言われた。特に母親(キム・ヨジン)と撮影する時は、目を見ただけで涙が出た。母親とともに撮影をする状況じゃなくても、他の撮影現場で演技をしていても母に会いたくなった。だからしょっちゅう泣いてNGも出して……(笑)

―相手役であるパク・ボゴムとの没入感も良かっただろう。

キム・ユジョン:初めはボゴム兄さんが難しかった。兄さんは敬語を使わなくてもいいと言ったけど、それが難しかった。もともと私は距離が縮まっていない人は“様”付けで呼ぶが、最初兄さんを「パク・ボゴム様」と呼んだ。それさえもぎこちなかった。「パク・ボゴム兄様」「ボゴム様」「パク・ボゴム様」全部曖昧で(笑)

―だけど今は「兄さん」だ。本当に親しくなったみたいだ。

キム・ユジョン:最初、穴に落ちる場面があるが、その場面を一緒に撮影して親しくなった。その狭い空間の中で、信じられる人は兄さんだけだったので、頼りにするようになった。親しくなってからは、お互いに演技に対するアドバイスもした。目に目やにがついてるとも言い合える仲だ。色々と助けになった。

―いつのまにかデビュー13年だ。進路に対する確信は生まれたか?

キム・ユジョン:子供の頃より、どんどん考えも悩みも多くなる。学生のキム・ユジョンと女優のキム・ユジョンが並んで成長しているようだ。私が成熟しながらキャラクターに感情を込めたり、キャラクターの成長過程を見ながら私がついて行ったりもする。特に今回の作品をしながら良い影響をたくさん受けた。「このように努力すれば見てくれるんだな」とも思った。周りで私の演技への信頼が生まれたので、より良い姿を見せてあげたい。その分準備もたくさんしなければならないけど。