北朝鮮の金正恩党委員長は、繰り返し「輸入病」(何でもかんでも輸入に頼る現象)の根絶を訴えている。しかし、国内からは「輸入品を代替する国産品もないのに」と強い反発の声が上がっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

10月25日、26日の両日、平壌の人民文化宮殿で、朝鮮職業総同盟(職盟)の第7回大会が開催された。35年ぶりの開催となる大会に際して、金正恩氏は参加者に「金日成ー金正日労働階級の時代的任務と職盟員たちの課業」というタイトルの書簡を送った。

輸入品販売禁止令?

この中で金正恩氏は、輸入病について次のように触れた。

「朝鮮労働階級のプライドと胆力で、すべてのものを自分の手で、他人よりさらに立派に作り出すことで、輸入病という言葉そのものをなくし、民族の知恵と祖国の名誉を輝かせなければなりません」

この言葉の影響なのか、両江道(リャンガンド)の情報筋によると、「来年から市場で外国製の生活必需品の販売が禁止される」という噂が出回り、市民の間に緊張が走っているという。

北朝鮮の市場で売られている商品の8割が中国製と言われている。そもそも国産品は種類が少なく、値段が高い。

さらに、ほとんどの原材料を中国からの輸入に頼っている。つまり数少ない国産品も中国から輸入される原材料がベースとなっているのだ。さらに当局による「産地偽装」も横行している。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、市場では最近「北朝鮮製」と表示された製品が増えているが、その全てが中国からの輸入品のパッケージだけを取り替えた「産地偽装」製品だという。

しかし、「こんな命令はいつものように、どうせうやむやになるだろう」との見方もある。今年1月の核実験に対して中国が反対したことを受けて、北朝鮮当局は中国製品の販売禁止を命令したが、いつの間にかやうやむやになった。

国産品を増やすには、過去20年間の経済の混乱で荒廃しきっているインフラの再整備から手を付けるべきだが、金正恩氏はそのような地味なことをいやがり、派手なレジャー施設やタワーマンションの建設に力を入れている。これではいつまで経っても「産地偽装」に頼らざるを得ない。