老後に備えて資産運用や資産形成の必要性を感じているものの、運用経験者は少数派にとどまった。金融知識の不足も要因になっているようだ。

 日本法規情報株式会社は10月26日、「資産運用・形成に関する意識調査」の結果を発表した。調査は7月15日から8月1日にかけて、669名の男女(男性304名 女性365名)を対象に実施された。

 まず、資産運用と資産形成の必要性について聞いたところ、48%が「感じたことがある」と回答した。しかし、実際に資産運用や資産形成を実践しているかを聞くと、「現在している」が18%、「過去にしたことがある」が9%にとどまり、73%が「したことがない」と回答した。

 そこで、資産運用の経験がないと回答した人に、どのような点を不安に感じているのか聞いた。最も多かったのは「金融に関する知識が無い」の33%で、「元となる資金が少ない」の21%、「元手よりも減らしてしまう可能性があること」の21%が続いた。基礎的な金融知識の不足から、資産運用に抵抗を感じている人が多いようだ。

 そんな中、野村アセットマネジメント株式会社は、「貯蓄から投資へ」に関する実態や意識について4万人を対象に調査を実施し、その結果を10月25日に発表した。調査時期は8月2日から10日にかけて。

 まず、家計金融資産の構成比をみると、「現預金・債券」が66%、「株式」が16%、「投資信託」と「保険」がそれぞれ9%だった。比較的安全とされる「現預金・債券」の構成率が高く、過去数年の調査結果と同程度の水準だった。

 そこで、上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)を除いた投資信託の保有率を調べたところ、前年比1ポイント減の14%だった。2008年以降の調査結果をみると、2008年と2011年が17%で最も高く、2016年は最も低かった。年代別の保有率は70代以上が27%、60代が21%、50代が14%、40代が10%、30代が7%、20代が3%だった。20代から40代といった資産形成層の投資信託保有率が低く、投資家のすそ野が広がっていないと同社は指摘している。

 政府はNISAなど新たな制度を導入し、「貯蓄から投資へ」の動きを推し進めてきたが、その動きは鈍いようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]