中瓶0.4本分のビールでも、毎日飲むのは控えた方が(イラスト・サカタルージ)

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若い男性はとかく羽目をはずしてムチャ飲みしがちだが、健康のためには、「ほどほど」どころか「ちょっぴり」にした方がよさそうだ。特にパパを目指し子作りに励む人は、週に3本以上のビールを習慣にしない方がいい。

最近の研究で、少しの量でも飲酒を習慣にすると精液の質が低下することがわかってきたからだ。

週にビール中瓶3本でも精子に悪影響

多量のアルコールが精液に悪影響を与えるという研究をまとめたのは、デンマークの南デンマーク大学医学部のティナ・コルド・ジェンセン教授のチーム。2014年10月2日付の英医学誌「BMJ Open」(電子版)に発表した。

デンマークでは18歳以上の男性には徴兵義務がある。論文によると、ジェンセン教授らは、2008〜2012年に徴兵検査を受けた18〜28歳の男性1221人(平均年齢19.1歳)を対象に、飲酒習慣と精液の健康度の関係を調べた。対象者に週にどのくらい酒を飲むかアンケート調査を行ない、血液と精液を採取した。

アンケート調査の内容は、(1)前の週の飲酒量(2)習慣にしている1週間の飲酒量(3)過去1か月に大量飲酒をした回数、などだ。飲酒量は、アルコール成分のエタノール60グラムを5ユニットとして計算した。5ユニットと聞いてもピンとこないだろうが、酒の種類に換算すると、ビールだと中瓶3本、ワインだと1本と3分の1、日本酒だと3合、缶酎ハイだと4.5本に相当する。

そして、精子の濃度、総精子数、正常な精子の割合、精子のスピードといった精液の質と飲酒量を比較した結果、次のことがわかった。

(1)精液の質は、週当たりの飲酒量が中程度(週に5ユニット)を超えると下がりはじめる。週に5ユニットは、上に書いたように「ビール中瓶3本」分だが、1日あたりに換算すると、ビールだと中瓶0.4本分、日本酒だと0.4合分、缶酎ハイだと0.6杯に相当する。呑兵衛からすると、「雀の涙」のような飲酒量だが、それでも精液にはよくないのだ。

(2)飲酒量が週に25ユニットの「過剰気味」になると、精液の質の低下は顕著になり、さらに週に40ユニットを超える「大量飲酒」の人になると、5ユニット以下の控えめな人に比べ、精子の濃度は33%も低くなった。ただし、正常な精子の割合や運動能力は変わらなかった。

1日に日本酒3合以上を飲むと精子数が3割減る

ちなみに40ユニットは、ビール中瓶で24本、缶酎ハイ杯36本、日本酒24合に相当しで、1日当たりに換算すると、ビール中瓶で3.4本、缶酎ハイ杯5.1杯、日本酒3.4合になる。晩酌で毎日これだけ飲むと、さすがに「飲み過ぎだ」という人が多いはずだ。

なぜ、飲酒量が増えると、精液の質が悪くなるのだろうか。ジェンセン教授は論文の中で、「アルコールが精液の質に与える影響は、研究がやっと始まったばかりで、因果関係の究明はこれからです。妊娠のことを考えるのなら、若い男性には習慣的な飲酒は控えるようアドバイスをすべきです」とコメントしている。