連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第5週「お父さまの背中」第29回 11月4日(金)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出: 新田真三


28回はこんな話


すみれ(芳根京子)たちが提案した外国人のお客さんのためのテーブルクロス案が評判よく、安堵したところに、君枝(土村芳)の夫・昭一(平岡祐太)が帰って来た!

お父さん、大活躍


闇市の元締め・根本(団時朗)に地主でも大家でもないのに、なぜ場所代をとるのか? と問い詰めるゆりだったが、相手の迫力にすごすごと引き下がるしかなかった。
それを見守る五十八(生瀬勝久)は、ゆりと潔(高良健吾)に商売や人生に関するアドバイスをする。
29回は、五十八の名言がたくさんあった。

「世の中には理屈で通らんこともある」
「そういうこととどないして対峙していくか、どないして解決するか 打開策がみつかるかどうかでその先が違ってくる」
「これはええもんやとほんまに自分でいえるものしか売らん。そして信用を得る」
「焦るな 急がばまわれ それが商売の、いや、人生の基本や」

五十八と忠さんにホッとする


いいこと言うお父さんだったが、娘に厳しくし過ぎたかと悩んだりも。
そこへ忠さん(曽我廼家文童)も名言。
「まちがうてたか、そやなかったかわかるのはまだまだ先のことと違いますか」
「旦那様は背中で見せてやってたらええんだす」

そう言いながらもゆりが不憫と泣く忠さんと「自分が泣かせてるみたい」と困る五十八。
このふたりのコンビはホッとする。
どんなに辛気臭い場面でも、ユーモアがある、声が明るいって大事だと思う。

男が何も言わないわけ


落ち込むゆりを励ます潔。だが、ゆりは「考えてること私に相談してくれない」から「同志じゃない」とむくれっぱなし。
潔の言い分は 「同志だから信頼してるからこそ細かいこといちいち言わないのや」。
話したがり聞きたがりの女、男は黙っての男。難しい問題です。

仕事より夫



夫が帰ってきた途端、デザインのスケッチブックを地面に落として、拾いもしないで夫と共に家に帰っていく君枝を見て、ちょっとさみしい顔をするすみれ。というか、すみれはいつもちょっとさみしい顔ばかり。
いや、まだまだこれから。こんなときこそ「焦るな 急がばまわれ それが商売の、いや人生の基本や」
「まちがうてたか、そやなかったかわかるのはまだまだ先のことと違いますか」という五十八と忠さんの台詞を思い出し、気長にドラマとすみれを応援していきたい。

「進むべき道があること自体が幸せなんです」(語り/菅野美穂)という言葉も噛み締めたい。
(木俣冬)