韓国の朴槿恵大統領の知人女性による国政介入疑惑が外交日程にも波及し、年末にも予定されている日中韓首脳会談の実現が危ぶまれている。韓国内では「実現するかどうか不透明になった」との報道もある。写真はソウルで行われた朴大統領の辞任などを求める集会。

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2016年11月4日、韓国で朴槿恵大統領の知人女性による国政介入疑惑が泥沼化する中、年末にも予定されている日中韓首脳会談の実現が危ぶまれている。ホスト役の日本政府は「予定通り(準備を)進めていきたい」と強調しているが、韓国紙は外交日程がストップしていることから、「実現するかどうか不透明になった」と報じている。

日中韓首脳会談は、2008年から始まった。アジア通貨危機を機に1997年に開始された「ASEAN+3」(東南アジア諸国連合 と日中韓の枠組みの首脳会議)から独立する形だった。第1回は福岡県太宰府市で開かれ、麻生太郎首相、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領が出席した。

毎年1回で開催地は3カ国の回り持ち。12年5月に北京で第5回首脳会談が開催された後、同年8月の李大統領の竹島(韓国名・独島)上陸や天皇陛下への謝罪要求などで日韓関係が冷え込んだほか、9月には尖閣諸島をめぐり、中国で大規模な反日デモが発生。13年、14年と中断されていたが、昨年11月、ソウルで再開された。

今年の日中韓首脳会談に朴大統領が出席すれば、大統領就任後初めての日本訪問となる。菅義偉官房長官は先月末の記者会見で、首脳会談について「何ら影響はないと思っているので、そこは予定通り進めていきたい」と言及。岸田文雄外相は国政介入疑惑に関して「注視したい」と述べながらも、首脳会談については予定通り年内に開催できるよう議長国として速やかに調整する意向を示した。

国政介入疑惑に関連して朝鮮日報は「日中韓首脳会談の年内の開催が不透明になっている」と報道。これに対し、韓国外交部は報道を「事実ではない」と否定したが、同紙は「10月29日に行われた閣僚懇談会で『今後の首脳外交の日程に支障が出る可能性がある』との報告がなされ、対策が話し合われたことが分かった」とも伝えた。さらに、11月に韓国を訪問するカザフスタン大統領との会談以外、新たなスケジュールは全て調整がストップした状態で、8日投票の米国の新大統領との直接会談や電話会談も先送りされる懸念がある、とも報じている。

聯合ニュースによると、韓国外交部報道官は3日の定例会見で、日中韓首脳会談について「年内開催に関連した日本側の提案に対し、受け入れる立場を伝えている」と言明。「中国も今年中の開催に共感し、日程に関する協議に臨んでいる」と説明したが、すっかり「レームダック」(死に体)の朴大統領が首脳会談に出席しても、外交舞台で成果を上げるのは極めて困難。韓国政府内では「現状では(朴大統領の)出席は事実上、困難なのではないか」との声が出ているという。(編集/日向)