リーグ最終節の川崎戦でもゴールを決め、サポーターの声援に笑顔で応えた井手口。代表でも存在感を発揮できるか。写真:田中研治

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 11月11日のオマーン戦と、11月15日のサウジアラビア戦のメンバーが発表されたけど、今回も驚きはなかったね。
 
 そう感じるのは井手口、小林、大迫、久保らは呼んだけど、15日のワールドカップアジア最終予選のサウジアラビア戦では起用しないはずだから。結局は親善試合のオマーン戦で少し試して終わりという展開になるんじゃないかな。サウジアラビア戦にはいつもどおりの本田、香川らが名前を並べるはずだよ。
 
 ハリルホジッチ監督は最近、批判されることが増えて、周囲の声に敏感になっているよね。大迫の待望論を受けて、今回は彼をメンバーに加えた。大迫がケルンでしっかり結果を残している面もあるけど、要するに立場が危うくなっているハリルホジッチ監督が“マスコミ・サポーター対策”を考えたと邪推したくなってしまうよ。
 
 ハリルホジッチ監督は今までの強硬な姿勢がなくなりつつあるよね。今回の発表会見は通常より短く感じたし、もしかしたら自信を無くしているんじゃないかな。
 
 G大阪で活躍している井手口は確かな守備力とダイナミックな攻め上がりを特長としているけど、山口とプレースタイルが似ている。だからふたりの同時起用は考えにくい。サウジアラビア戦のベンチ入りするようなことがあれば、最終予選の雰囲気を感じさせたいという狙いだろうね。
 
 小林もオランダでは試合に出ているけど、トップ下では香川、清武のほうが序列が上。ボランチにしたって長谷部、山口、永木らがいて、チャンスを掴むには相当なアピールが必要だよ。久保も岡崎、浅野がいるなかで存在感を出せるかは微妙なところだ。
 
 先日、U-19アジア選手権で優勝を果たしたチームの誰かが抜擢されたらニュースになったはずだよ。でも、申し訳ないけどあの優勝メンバーで、すぐにA代表に入れそうな人材はいなかった。
 
 報道では中田、小野らが果たせなかったアジアチャンピオンになったことで、“中田越え”“小野越え”などと表現されていたけど、その言葉が相応しいかは疑問を感じるよ。ちなみに中田がA代表デビューしたのが20歳、小野がデビューしたのは18歳。世界では18〜20歳で代表デビューする選手はざらだけど、かつては日本にもいたんだ。今のU-19代表の選手たちにも頑張って欲しいね。
 
 そういう意味では20歳の井手口は、期待の星として考えられる。彼を含めて若い選手に求めたいのは今の代表の主軸たちとしっかり競争をしてポジションを掴み取って欲しいということ。
 
 本田、長友、長谷部らは年齢的にそう遠くないうちに代表を去ることになる。でも、彼らが抜けてレギュラーになったって価値は低いんだ。主軸を蹴落として自分の椅子を手に入れるから自信にもなるし、選手として成長できる。世界の選手たちは日々、そうやって切磋琢磨しているよ。
 
 ここ数年、日本代表ではそういう競争がなされてこなかった。だから4年前のブラジル・ワールドカップの最終予選を戦ったメンバーが今も出続け、世代交代がまったく進まなかったんだ。
 
 井手口や小林、久保らには今回の代表選出をキッカケに一心不乱に勝負をして欲しいね。誰にだってチャンスはあるんだ。難しいことだとは思うけど、自分の力を信じてプレーすれば道は開けるはずだよ。
 
 
 サウジアラビアは勝てない相手ではない。でも、海外組のコンディションがどれくらい上がっているかが鍵になる。本田はミランで試合に出られていないみたいだし、香川も苦戦しているようだ。
 
 展開としてはここ数試合と同じように、1点を争うストレスの溜まるゲームになると思う。大量点を取れたらそれこそサプライズだよ。サウジアラビアは引き分けで良いという気持ちでくるはずだから、日本はまず主導権を握って先制点を奪いに行くゲームをしてもらいたい。