オマーン戦、サウジアラビア戦に臨む日本代表メンバーを発表したバヒド・ハリルホジッチ監督

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 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は4日、都内のJFAハウスで記者会見を行い、11日のキリンチャレンジ杯・オマーン戦(カシマ)、15日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(埼玉)に臨む日本代表メンバー25人を発表した。

以下、ハリルホジッチ監督会見要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督

「11月に今年最後の2試合がある。一つは親善試合、一つはW杯に行くための重要な試合だ。オマーンは少しサウジアラビアに似ているということで選んだ。アラブのフットボールのイメージ。(日本代表で)あまりプレー機会のない選手にもチャンスを与えようかなと思っている。もしくは海外で試合に出られていない選手。どのような状態かも見たい。我々のグループで首位にいるサウジアラビアとの試合の準備のためにこういう機会をつくった。今回の合宿には22人のフィールドと3人のキーパーを呼ぶ。中盤とフォワードに一人ずつ多めに呼んだ。前回の合宿もそうだが、少しケガもあるので、グループをラージにしてリスクを避けることが大事だと思う。少し新しい選手も呼んでいる。

 キーパーから。いつもの3人で、前回も同じだった。(川島)永嗣もいる。前回の合宿でたくさんのことを見せてくれた。フィジカル状態も前回より良いはずだ。まだ先発を勝ち取れていないのが現状だが、我々のキーパーコーチも彼のパフォーマンスには満足している。

 守備にいく。長友も少しケガをしたが、戻ってきている。(酒井)宏樹は今週ちょっと状態が良くなかったが、この合宿には良い準備で臨めるということだ。真ん中では(吉田)麻也、森重、丸山と植田を呼んだ。植田と昌子の競争だった。昌子はプレーしているが、100%でトレーニングできていないという状況で、少しまだ状態が良くないということなので今回は植田を呼ぶ。彼もプレー数は少ないが、若くてクオリティーもある。少し彼にも話をして、もっともっとトレーニングしないといけないよと伝えたい。若くて、このようにフィジカル能力もテクニックもある選手は稀だ。これからも伸びるはずだし、将来、A代表にとって大事な選手になるはずだ。吉田、森重がすでにイエローカードをもらっているので、もし累積などで問題が起きたときにも彼が代わりになるのかなと思う。

 中盤。ディフェンシブでは長谷部、山口が常にいる。永木はここ2か月、良いパフォーマンスを見せている。奪うところ、存在感も十分に満足している。そして新しい選手。井手口陽介だが、ずっと追跡していた。本当に能力がある。得点も取る。右足も左足もクオリティーが高い。非常に面白い選手だと思う。奪うところもフィジカルも伸びている。若い選手を呼んで、我々のグループをフレッシュにしたい。

 オフェンシブでは(香川)真司、キヨ(清武)、小林祐希。香川もだんだんプレーできるようになってきた。少し打撲して、前回の試合は出ていないが。清武についてはかなりディスカッションした。彼のクラブでどのような競争があるのか。ただ、彼もクラブでかなり補足トレーニングを積んで、少しこの前の試合にも出た。ケガをしたナスリと競争をしないといけないが、先発を勝ち取ってほしい。小林祐希は常に先発で出ている。少し低い位置でプレーしているが、我々のコーチも現地に行って話をしてきた。オランダのリーグでかなりレベルの高いプレーをしていると。運動量、ディシプリンの面でかなり向上しているという報告だった。オフェンシブにプレーできる。そこが向上している。左足のパスのクオリティーも高い。

 フォワード陣。常に本田はいる。浅野は前回、点を取った。原口も常に先発で出ている。少し疲労がたまっているかもしれない。ここ最近かなり活躍している齋藤。最後の突破、リズムの変化のところで面白い選手。親善試合でもしかしたらチャンスがあるかもしれない。1対1で突破できる稀な選手だと思う。プレーを継続する、90分間常に良いプレーをすることが大事。彼ともしっかり話をしていこうと思う。

 それから真ん中。オカ(岡崎)、大迫、久保だ。久保もスタメンを取った。背後に抜けて、スピードもあって、面白い選手だと思う。ただ、2トップでプレーするオーガナイズがいいかなと。それ以外は難しいかなと思う。スピードで背後に抜ける選手。大迫はここ数か月いなかったが、クラブで先発を取って、よりゴールに近づけるようになった。たくさんではないが、点も取るようになった。より得点率を上げていってほしいと思っている。フィジカル的なクオリティーが高く、ヘディングも強いので、16m(ペナルティーエリア)の中に入っていくプレーに期待している。このような真ん中のFWが我々には少ないので重要だ。7人のフォワードを呼んだ。少し様子を見るためとサウジアラビア戦の準備だ。より良い選手がこの試合に出ると思う」

―大迫を1年半ぶりに招集した理由は?

「大迫を選んだのはロジカルだと思う。なぜならここ最近、常に試合に出ているからだ。彼と競争させたいのは武藤(嘉紀)だが、彼は今ちょっとケガしている。大迫は我々のリストに常に入っていた。昨季はプレー回数が少なかったし、クラブでやっているポジションがA代表と違うということもあった。今もフォワードの少し後ろでプレーしていて、もう一人のフォワードとして大迫より速い選手を使っている。我々は同じオーガナイズではない。日本代表では少し役割を変えている。ただ、我々が探しているのは、より得点を取れる選手ということで、もし彼がプレーすれば、他の選手より点を取ってほしいという期待がある。

 今はいろんな選手を使い分けている。オカ(岡崎)、浅野……、オーストラリア戦では本田が真ん中のフォワードをやった。みんな驚いたと思うが、できるだけ良いソリューションを私は今、探している。特に得点率を高めるというところ。統計を見ると、ビッグチャンスはかなりつくっている。ゴール前の仕留めるところを我々は伸ばさないといけない。より得点を取れる選手を探している。それが大迫なのか、岡崎なのか、武藤なのか、浅野なのかは分からないが、より良いソリューションを探している。

 大迫のアドバンテージを言えば、他の選手よりも力が強いということ。今までとは異なるタイプのプレーが望めるかなと期待している。A代表の役割はクラブでやっている役割とは少し違う。それはA代表のほとんどの選手に当てはまる。原口も同じだ。クラブとは同じ役割ではない。彼はクラブではまだ得点を取っていないが、彼とディスカッションしたあと、よく理解してくれて、日本代表ではよく点を取ってくれている」

―サウジ戦は予選の重要なポイントになるが?

「サウジアラビアの戦力については、すでに(分析の)仕事を始めている。サウジアラビアはかなり伸びてきている。アラブの国の傾向として個人の能力があり、フィジカル的にも戦術的にも良くなっている。彼らのアドバンテージは、(彼らが)したいときに合宿ができるということ。ほぼ全員で合宿をしている。それが彼らのアドバンテージになる。かなり良いレベルの個人のプレイヤーもいる。我々のグループの首位でもある。これに対してたくさんのチョイスがあるわけではない。まず勝たなければいけない。(勝てば)6ポイント(の価値がある)ということ。それぐらいの勢いでやらないといけない。海外組で先発で出ていなかった選手がだんだん出るようになってきた。今回の親善試合を使っていろんな疲労回復に努めたい。2試合目(サウジアラビア戦)にはより良いパフォーマンスで臨めると思う。そして勝利を探さないといけない。

 多くのディテールが私の頭の中にあるが、彼らのオフェンスのプレーを抑えていかないといけない。そして我々のプレーをいかに出すか。我々はどんな相手にも多くの問題を起こしてきた。ただ、彼らはPK、FKをもらっている。彼らの得点の50%がPKかFKから生まれている。それに関しては注意して、罠に引っかからないようにしないといけない。我々にはUAE戦もオーストラリア戦もPKがあった。あのPKがなければ、多くのことが変わっていたと思うが、サウジアラビアはそういったPK、FKを誘うスペシャリストだ。ただ、弱点もある。その弱点を突いていこうかなと思っている。本当に大きな試合になるから、アグレッシブさ、戦うところ、そして強い気持ちを出さないといけない。そして勝利を追求しないといけない」

―久保は2トップが適しているということだが、今後は2トップの併用も考えているのか?

「確かに久保はフットボールの世界では2人目のアタッカーになる。彼が衛星的な動きをする。背後に走るとか、ニアサイドに走るとか、クラブではそういうプレーをしている。我々には他のオーガナイズがあって、常に3トップで、真ん中に1人のFW、サイドに2人のFWという形。ただ、彼が入ることで、アイデアが増える。一つのオーガナイズがうまくいかなかったときに、もしかしたら4トップになるかもしれない。サイドに2人のFWを置いて、真ん中にFWを2人置く。点を取りにいく、追いつかないといけないときには、それもソリューションの一つになる。我々は試合中にオーガナイズを変えることもできる。もちろん、すぐに理想的な形を見つけられるわけではない。オートマティックにしないといけない。

 久保はセカンドアタッカーとして面白いと思う。サイドで使う可能性もある。ただ、16mの中に入っていくプレーをするので、原口や斎藤とは違う。オーガナイズを見つけないといけない。久保は常に先発で出ているし、あまり先発で出ていない選手よりはパフォーマンスも良いと思う。初めてA代表に呼ぶわけだが、井手口や植田も同じで。若くてクオリティーも能力もある。齋藤もそうだが、すぐにリーダーとなったり、決定的な仕事をするという期待は込めていない。わざとそういう選手を呼んで、このグループに若さをもたらすことが大事。若い選手がグループに来るが、少し恥ずかしがっているのかなと思う。グラウンド内でも外でもまだまだ恥ずかしさがあるのかなと。ポジティブな発見は丸山。トレーニング中も安定性が増してきたし、より自分を表現できるようになった。将来を準備しているということ。いきなり決定的な仕事をすると期待されても困るが、私は次の準備をしている」

―先制してもその後、難しい展開となることが多いが?

「みなさんの分析と私の分析は違う。2次予選があって、今は最終予選だが、まだ流れの中で失点したわけではない。失点はしているが、FKが多い。PKもCKもある。そこを私は強調している。まず16mの中でファウルをするな。まだ相手の展開ではやられていない。この2年間、オフィシャルの試合で失点していない。つまり、90分を通してしっかりオーガナイズされているということ。もちろん、厳しい時間帯もある。4失点しているが、FKでやられている。オーストラリア戦も2、3回見たが、我々にとって悪夢のPKがなければ、オーストラリアは点を取れなかったと思う。2回のPK、FKでやられたのは我々のナイーブさを見せてしまった。今回の合宿では16mでナイーブさを見せるなと言いたい。守備でまだまだ伸ばすところはあるが、フットボールの目で見れば守備はしっかりオーガナイズされてきている。ディフェンダーだけが守備をするわけではない。全員で守備をする。オーストラリア戦を振り返れば、チームが良い守備をしたと思う。少し前(攻撃)の可能性を伸ばさないといけないが、多くの試合で選手は守備の仕事をしっかりやってくれている」

―ボランチにゲームメーカータイプを呼ばず、永木、山口、井手口という似たタイプを呼んだのは?

「ディフェンシブの中盤とオフェンシブの中盤がいる。永木は長谷部と同じで、しっかりコントロールするというタイプ。井手口、原口というタイプがいる。少しオフェンシブに働きかける。最近の井手口の試合を見ると、3点、素晴らしいゴールを決めている。昨日はキーパーが弾いたボールを決めた。永木や長谷部と補足関係にある選手を見つけないといけない。山口蛍はイラク戦で点を決めた。前に行けるクオリティーを持った選手、つまり得点が取れる選手。井手口は毎試合、伸びている。ボールを奪ってからつなぐパスも、背後へのパスもいい。つまり、私の頭の中では同じタイプではない。

 オフェンシブには香川、清武、小林もいる。彼らはもっとオフェンシブで、組み立てに関わる。我々は真ん中でオーガナイズする。我々にとってオフェンシブの中盤は重要だが、ボールキープが長くなるのは問題。前に行く時間を遅くしてはいけない。よりスピードアップしてほしい。最後のボールを供給するところ、フィニッシュのところで、彼らはセカンドアタッカーになる。身長は大きくないが、香川も清武もヘディングで得点を取ることもある。

 補足関係でないといけない。永木と井手口は同じタイプではない。私はそういう準備をしている。(山口)蛍もJ2でプレーしている。このリズムでずっとプレーしていると少し不安になるが、ボールを奪うところではものすごい能力がある。ものすごく速いし、爆発的でもある。そういう選手は少ない。井手口はそういうところに少し近い。それが私の見方。井手口は得点も取る。本当に前に行く。しかも23歳ですか(実際は20歳)。いきなり決定的な仕事をしてもらおうとは思っていない。ただ、若い選手はまだまだ年上に遠慮しているかなと思う。もっと若い選手も勇敢に、アグレッシブにやっていい。もっと自分から仕掛けていい。目上の人に遠慮せずにどんどんやってほしい。そういう雰囲気をつくっていきたい」

(取材・文 西山紘平)


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