父との約束果たし…カブス108年ぶりの優勝を墓地で眠る父と一緒に“観戦”

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アメリカ大リーグのシカゴ・カブスが現地2日、108年ぶりのワールドシリーズ制覇を成し遂げた。

108年ぶりのWシリーズ優勝

日本では広島カープが25年ぶりにセリーグで優勝し、盛り上がったのは記憶に新しいところだろう。

カブスの場合はリーグ優勝も71年ぶり。Wシリーズ優勝は108年も待っていたわけだから、念願の優勝を見られずに一生を終えたファンも数多い。

父の生前に「一緒に観よう」と取りきめ

アメリカ・ノースカロライナに住むウェイン・ウィリアムズさんの父、ウェイン・シニアさんもそんなファンのひとりだった。

ウェイン・シニアさんは1980年に53歳で亡くなった。

ウィリアムズさんはその父と生前、ある取り決めをしていたという。

「カブスがワールドシリーズに出る時(もし出たらではなく、出る時)には、かならず一緒に観戦しよう」

それから数十年後、ウィリアムズさんは、父との約束を果たすべく、車で1日かけてインディアナ州の墓地へと赴いた。

カブスのワールドシリーズ第7戦を、父と一緒に“観戦”するためだ。

ユニホームにキャップ、手にはW旗

「息子たちに何度も言ってたんだ。親父と協定を結んだってね」とウィリアムズさん。

ジョー・マドンのレプリカユニホームに、買ったばかりのカブスのキャップ。手にはカブスが勝ったときに掲げられる「W旗」を握りしめ、スマートフォンの実況に聞き入った。

父の傍らで静かに喜びをかみしめた

試合は8回、抑えで登板したカブスのチャプマンが2ランホームランを打たれて同点とされる。

しかし延長10回にカブスが勝ち越し、その後の窮地をしのいで優勝を決めた。

大熱狂に湧く球場とは裏腹の、静かな夜の墓地で、ウィリアムズさんは微笑みを浮かべて立ち上がった。

「やったよ」

そう声をかけ、W旗を墓石の上にそっと置いて、長い家路についたのだった。