<今年7月の戦闘に対応できなかった南スーダンPKOのケニア人司令官を解任した国連。反発したケニアはPKO部隊を「機能不全」と批判して、部隊を撤退させることに>(写真は南スーダンのPKOに参加するガーナ軍の部隊〔14年2月撮影〕)

 国連が南スーダンで展開しているPKO、国連南スーダン派遣団(UNMISS)から、ケニアがおよそ1000人の部隊を撤退すると発表した。ケニアの司令官が解任されたことに反発している。

 国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は今週月曜、南スーダンPKOのオンディエキ司令官の解任を決めた。今年7月に首都ジュバで政府軍と反政府勢力の間の戦闘が発生した際、PKO部隊が適切に対応できなったため。この戦闘で70人以上が死亡している。

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 これに対してケニア政府は、オンディエキ司令官の解任と、新しい司令官を指名せよという国連からの要求を拒否した。ケニア外務省の声明では、「南スーダンのPKOが、根本的な構造的、組織的な機能不全に陥っていることは明らか。これによって当初から、任務遂行は大きく妨げられていた」と国連を批判した。

国連が一司令官に責任転嫁?

 さらに、「国連は問題の解決に取り組む代わりに、不条理にも司令官個人の責任に転嫁した」とケニア外務省は主張している。ケニアは、南スーダンの和平プロセスからも撤退する意思を示している。

 今週月曜に公表された調査結果では、今年7月の戦闘の際にPKO部隊が適切に対応できなかったのは、「部隊上層部の一部の指導力が欠如し、対応が混乱して能力が発揮されなかった」と見ている。隊員の中には自分のポジションを放棄した者もいて、国連が設定した市民保護エリアのすぐそばで戦闘が発生することも防げなかった。

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 南スーダンのPKOには合わせて1万3000人の部隊が派遣されているが、およそ1000人の部隊を派遣しているケニアは、その中でも大きな役割を担ってきた。また任務強化のためにさらに4000人規模の防衛部隊を派遣する計画についても、ケニアは支持していた。

 南スーダンは2013年12月に、キール大統領が、当時のマシャール副大統領にクーデター計画があるとして対立して以降、内戦状態となった。これまでに戦闘で数千人が犠牲になっているが、キールが南スーダンの多数派のディンカ族、マシャールが少数派のヌエル族を率いる民族対立の側面もある。

 昨年8月に双方で和平合意が結ばれ、今年4月にマシャールは首都ジュバに戻ったが、7月の戦闘の後、マシャールは国外に逃れている。

コナー・ギャフィー