日本政府観光局によれば、2015年に日本を訪れた中国人旅行客の数は約499万人に達したが、16年は1−9月だけで、すでに500万人を超えた。日本を訪れる中国人旅行客は年々増加傾向にあることが見て取れるが、なかには日本で「学ぶ」ために訪日する中国人もいる。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本政府観光局によれば、2015年に日本を訪れた中国人旅行客の数は約499万人に達したが、16年は1-9月だけで、すでに500万人を超えた。日本を訪れる中国人旅行客は年々増加傾向にあることが見て取れるが、なかには日本で「学ぶ」ために訪日する中国人もいる。

 中国メディアの今日頭条は2日付で、視察のために訪日する中国の飲食関係者が増えていることを伝えつつ、「日本の飲食業界のどのような点が、中国飲食業界にとって見倣うに値するのか」という質問を提起している。

 訪日した中国人旅行客の多くは、日本のサービスの質に大いに感動すると言われるが、記事には「中国飲食業界が日本に学ぶべき点」として、中国人ネットユーザーたちからは「料理の質や味ではなく、サービスを学ぶべき」といったコメントが数多く寄せられている。

 例えば、「日本のサービスは客への思いやりがあり、とってつけたような見せかけの礼儀正しさや形式化したサービスではない」という意見があった。確かに、中国でもスタッフに対して礼儀やマナーについての教育を行う飲食店は増えているようだが、あくまでも形式上の礼儀にとどまっている場合が多く、客が望んでいることを察して「言われる前に行動する」というような気配りは、まだ少ないように思える。

 また、別のネットユーザーは「日本の飲食店やサービス業では、客の『気持ち』に対する配慮が見られる」と指摘。例えば、日本では「靴を脱いで店内に入る形式の店の場合、客が帰るときは靴を履きやすいように靴を揃えて並べておく」と指摘。また、客の傘が雨に濡れていれば傘をきれいに拭いてくれること、どんなに忙しくても客に呼ばれたら即座に対応すること、クレームに対して責任逃れをしないことなどを挙げ、「こうしたサービスは、客に『気持ちよく店を利用してもらう』ための配慮」であり、中国飲食業界も学ぶべき点であると論じた。

 記事に寄せられているネットユーザーのコメントからは、徹底して客の視点に立ち、サービスを提供するという日本のサービス業の特長が見て取れる。そして、こうした特徴こそ、中国飲食業界が見倣おうとしている最も重要な点だと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)