写真は「ミスフィット シャイン」。シリーズの最新モデル「RAY」は2016年グッドデザイン賞を受賞した

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近年、よく名前を聞くようになったツールのひとつが「ウェアラブル端末」だ。「身につけられる(wearable)な端末」という名前の通り、腕や足などに装着して使用する機器のことで、少し前に話題となったメガネ型の「Google Glass」や、ブレスレット型で腕時計のような「Apple Watch」もウェアラブル端末とされる。

活動量計もウェアラブルな時代

最新の機械に興味がない人にとっては、用途がわかりにくいものも多いウェアラブル端末だが、目的が明確で、家電量販店などで専用のコーナーが設けられていることもあるのが、活動量計タイプのウェアラブル端末だ。

ソニーやLGのような家電メーカーから、オムロンやタニタなどの健康機器メーカー、アディダスといったスポーツブランド、世界各国のベンチャー企業まで、各社が独自の機能を搭載した端末を販売している。共通しているのは「日々の身体活動量(運動量)を手軽に記録できる」という点。利用者はただ装着するだけでよく、端末が歩数や移動距離、運動量、消費カロリー、心拍数などを計測してくれる。

形状はブレスレット型が主流で、腕時計のようにディスプレイに計測した数値が表示されるものもあるが、端末は計測に特化させ、詳細なデータの確認は専用のスマートホンアプリと同期させることが前提となっているものも少なくない。

わざわざウェアラブル端末を使うような人は日常的に運動をしている人で、フィットネスやトレーニングの記録、身体能力の向上を確認するために利用しているのではないか、と感じてしまうかもしれない。

しかし、フィットネスやトレーニングに限定せず、普段使いの活動量計、ちょっと多機能な万歩計としても利用できるよう工夫されている製品も登場している。

今回、編集部で半年間に渡って試用してみたのが、フォッシルから販売されている「MISFIT SHINE(ミスフィット・シャイン)」だ。歩数と移動距離、消費カロリー、睡眠時間と睡眠状態を記録できるが、データを確認するには、専用のスマホアプリと同期させる必要がある。

直径3センチほどの、少し大きめのボタンのような形状で、専用の装着クリップを使用すれば、ポケットや襟、足首、靴など全身どこにでも装着でき、スポーツ用の手首に装着するゴムバンドが用意されている。それ以外にも高級腕時計を思わせるレザーバンドや、アクセサリー感のあるシルバーのネックレスもあり、お洒落さを感じさせる着け方も可能だ。

さらに、数字や文字が一切表示されない代わりに、コイン電池1個で半年間は動き続けるため、充電のたびに外す必要はなく、一度着けてしまえば半年間着けっぱなしという使い方もできる。基本的に、フィットネス用途に寄った端末が多い中、MISFIT SHINEは普段使いを強く意識した作りとなっている。

MISFIT SHINE、利用者の感想は

筆者も実際に着けてみたが、装着したままでいいというのは、確かに便利だと感じた。ランニングの習慣がある記者の場合、走るたびに装着しなければいけないものは忘れる可能性もあるが、24時間着けたままであれば、そんな心配はない。

これまでにウェアラブル端末をいくつか試したという40代の女性記者も、「着けていることが楽で、お風呂にもそのまま入れるのがいい」と話していた。外したら次につけるのを忘れてしまい、結局そのまま続けることができなかったという事態は起こらなさそうだ。

これまでウェアラブル端末はデザイン的に着ける気がせず未使用だった、という別の40代女性記者は、「下着に挟んでも目立たないし、ちらっと見えても恥ずかしくないデザインだからうれしい。スワロフスキーとコラボしたモデルも、アクセサリーのようで欲しくなる」という。

筆者は男性だが、ジャケットの襟の裏に取り付けて1日過ごしてみたところ、誰にも気づかれず、着ける状況を選ばないデザインであるというのは実感した。スポーティーなデザインが多く、着けていると目立ってしまう端末もある中、さりげない、目立たないデザインというのは、日常使いに向いているように思える。

なにより、見た目の良さ、デザイン性は、使い続けるためのモチベーションアップにつながる重要な要素だろう。

体を動かすことを意識するきっかけに

ただし、日常使い向きであるがゆえに、よりフィットネス用途に特化した端末や、厳密に複数のデータを測定し、アドバイスなどもおこなう健康機器寄りの端末に比べると、物足りない印象にもなっている。

例えば、MISFIT SHINEで計測されているデータは、歩数と移動距離、推定消費カロリー、睡眠の質と時間の5つなのだが、簡単な目標は設定できるものの、データの活用法などは用意されておらず、「データを見るだけ」感がある。より健康的な生活のためにどうすればよいか、といった部分はユーザーの工夫次第だろう。

しかし、データを見るだけ、ただ着けているだけでも、自分の体の状態や健康への意識が高まるのも事実だ。編集部内でも「着けたことで運動する機会も増えた」という声が聞かれた。

自分の健康状態が気になっているが何もしていない、運動不足を実感しているが運動する気にならない、という人は、ウェアラブル端末の導入を考えてみてはどうだろうか。

(Aging Style)