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子どもを預けたいと考える理由や頻度は、なにも両親のフルタイム勤務だけに限らない。普段は家庭で保育しているが急な用事ができた、病気・出産などで保育ができない、少しだけ働きたい……。そんなときに子どもを預けられる施設や制度もいくつもある。今回は、東京23区で行っている一時保育の制度を調べた。

○預ける理由で使える制度・料金は異なる

各自治体が行っている一時保育にはさまざまな形態があるが、まずは大きく2つに分けることができる。1つは病気・出産・介護・就労など、緊急的またはやむを得ない状況のときに子どもを預けられる制度。もう1つは、買い物やリフレッシュなど保護者の休養目的の利用も可能な制度だ。

前者は「緊急保育」や「一時保育」などの名称で、主に公私立保育園などが受け入れており、後者は「一時預かり」「ひととき保育」などと名付けられて、支援センターや子育て広場などで行われていることが多い。

利用料金についても、緊急保育などは1日単位で1,000〜2,000円程度で預けられる場合が多いのに対し、一時預かりは1時間単位で500〜1,000円程度。ほとんどが区内在住の人に向けたサービスだが、文京区の「キッズルーム」など、区外からでも少しの割増料金を払えば利用できる施設もある。家の近くに適当な施設がない場合には、出掛ける先で使える施設を探してみるのも1つの手ではある。

○多様化するニーズに応えてくれる自治体は?

それぞれの自治体は、一時保育の子どもをどの程度受け入れているのだろうか。施設整備の状況や許容理由など、区の対応は大きく異なっている印象だ。

例えば「区内のほとんどの保育園で一時保育に対応している」と一口に言っても、各保育園の運営状況次第で、緊急保育も含め、1日数名の定員などという場合には、利用できる望みが薄いだろう。

都内全域で待機児童が多い状況で、恒常的に人手に余裕がある園が多いとは考えにくく、さらに緊急保育が優先されるため、その他の利用での定員枠はさらに狭まってしまう。そのわりにニーズは高いと予想できるからだ。

そのため、一時保育用の専用室を積極的に増やしている自治体もある。例えば新宿区は、こども園を作る度に、専用室を作って受け入れを増やしていて、一方で「定期利用保育」では、認可保育園の審査に落ちた短時間勤務やパート労働者の家庭の子どもも受け入れているとのこと。

他の区の施設でも、あふれる待機児童対策のために一時保育施設でこうした対応をしていることは少なくない。保育園に軒並み落ちてしまったときの、1つの選択肢にもなるだろう。

利用者のニーズも多様化している。一時保育の形態が施設によってバラバラで一見して分かりにくく、比較が難しいのはそのためでもある。週5日働きたい親ばかりでなく週1〜2日だけ預けて仕事をしたい親もいれば、たまに数時間だけ息抜きに預けたい親もいる。

核家族で、緊急時に頼れる親族が近くにいない家庭も増えている。港区の担当者は、「それぞれの施設がニーズに対応してきた結果、いろんなサービス形態ができた。作ったら作っただけニーズもある。さらに、制度があるなら、こんなことをしたいというニーズがまた掘り起こされる」と言う。

子どもを育てる親としては、さまざま保育サービスが増えつつあることは歓迎すべき流れだろう。まずは、近所にある施設がどのような対応をしているのか調べてみてはいかがだろうか。

※本記事の内容は、2016年8月時点の情報として自治体から得た回答を盛り込んだものです
※写真と本文は関係ありません

(菊地由美子)