By AK Rockefeller

反政府主義者は「政府はビジネスのように運営されるべき」と主張し、企業の税金を低くし、規制を少なくし、社会計画を少なくすることを求めます。しかし、オバマ大統領は頻繁にこういった見解と対立してきており、ピッツバーグにあるカーネギーメロン大学で行われたイベントの中での発言からもその姿勢が垣間見える、とLos Angeles Timesが報じています。

President Obama schools Silicon Valley CEOs on why government is not like business - LA Times

http://www.latimes.com/business/hiltzik/la-fi-hiltzik-obama-silicon-valley-20161017-snap-story.html



10月13日にカーネギーメロン大学で開催されたThe White House Frontiers Conferenceは、サイエンステクノロジーの分野で政府が主導権を握っていくことを目的としたものでした。しかし、この中でオバマ大統領は「シリコンバレーは人々の生活を変えるような優れた製品を多く生み出しているかもしれないが、そういったテクノロジー業界を育んできた手法が政府の運営に当てはまるとは限らない」と、シリコンバレーを本拠地とするテクノロジー企業のCEOたちの前で数時間にわたって演説しました。

イベントの中でオバマ大統領は、「政府をシリコンバレーのような方法で運営することは決してできません。なぜなら、民主主義というのは汚いものだからです。民主主義は大きく、そしてさまざまな国のさまざまな関心事を抱え、複数の異なる視点を持つものです。そして、政府の仕事の一部は、そういった社会の中で誰も処理したがらないような問題を処理することだからです」とコメントしています。

この「政府の仕事の一部というのは、そういった社会の中で誰も処理したがらないような問題を処理することでもある」という発言は、つまり「民間企業がどこも行わなかった事業を政府が行っている」という意味でもある、とLos Angeles Times。



By Steve Jurvetson

公共事業が民間企業によって行われない理由には、「仕事が巨大すぎる、もしくは複雑すぎる」というものがあります。あまりにも規模が大きすぎたり煩雑だったりするため、その中から民間企業が潜在的利益を見つけられていないというわけです。インターネットの原型であるARPANETを開発したのが国防総省であったことは、まさに「インターネットが巨大かつ複雑すぎて、民間企業では潜在的利益を見つけることができず、政府が取り組むしかなかった」という典型的な事例だ、とLos Angeles Timesは指摘。

他にも、アメリカのコロラド川にあるフーバーダムも事例として挙げることができます。カリフォルニアの農民や市の後援者たちはコロラド川を利用して洪水調節や水力発電のためにダムを建設することに同意しました。しかし、その内訳は水路を引くことを望む農家の人々がいたり、発電所の建設を望む電力会社がいたり、街に送電網を引いて工場や道路に電気を通したいと考えている市の存在があったりと、思惑はそれぞれ異なっていました。このプロジェクトが成功したのは、連邦政府が指揮を執ることとなったから、というわけ。



By Ralph Arvesen

シリコンバレーの経営者たちは「システムを破壊する」と頻繁に言いますが、そういった行為は第三者というよりも業界内に大きなダメージを出すものです。例えばUberとLyftはタクシーを探す人々とそれぞれの企業の創業者たちには大きな利益をもたらしたかもしれませんが、従来のタクシードライバーの需要は確実に減っています。こういった「新しい事業の犠牲になった人々」を助けているのは誰かと言えば、それは政府であり、例えば労働省であったり全国労働関係委員会であったりするわけです。

これらのエピソードは、「インフラ整備でさえ政府の提供する法的な予防措置や安全保証を頼っている」ということを物語っています。

ちなみに、オバマ大統領だけがこういった考えを持っているわけではなく、2012年にエリザベス・ウォーレン上院議員は「この国には独力で裕福になった人は誰もいません。誰もいないのです。あなたは工場を建てた?それは素晴らしいことです。しかし、あなたが工場で作った品物を販売するには道路を使用する必要があります。これは我々政府が作り出したものです。また、あなたが工場で雇う労働者たちを教育したのも、我々政府です」と、オバマ大統領と同様に政治とビジネスの違いを主張しています。