2日、韓国メディアによると、韓国の朴槿恵大統領が私人である友人に国家の機密文書などを渡していた問題が、韓国国民の精神状態にも悪影響を及ぼしている。写真はソウルで行われた朴大統領の辞任などを求める集会。

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2016年11月2日、韓国・国民日報などによると、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が私人である友人の崔順実(チェ・スンシル)氏に国家の機密文書などを渡していた問題で、韓国中で大統領の弾劾や辞任を求める声が高まっているが、今回のスキャンダルは韓国国民の精神状態にも悪影響を及ぼしている。メディアはこれを「憂鬱(ゆううつ)と怒りからくる集団うつ症状」と分析、「国民は『崔順実ショック』で『順実症』を患っている」と表現した。

看護師のファンさん(29・女性)は、1日11時間の激務を終えた後も最近ほとんど眠れない。「懸命に勉強して大学に入り職を得て働いてきたものの、何のためにこんなふうに生きてきたのかと疑念が湧いてきた」という。「国が国民を守ってくれるものと信じていたのに、保護者がいなくなってしまった感じだ」と語る。地方で農業を営むユさん(51)も、畑に出るのをやめてしまった。妻に「ニュースを見るのはやめて仕事をして」と促されるが、無気力感にさいなまれている。

政治経験も知識もないはずの民間人が国政に深く介入していたとの疑惑を受け、朝鮮が日本に統治された「日帝強占期」に言及する人もいる。会社員のチェさん(26・女性)は、「あの時代に生きた祖先たちの心境もこうだったのかと思う。国を奪われたような気分なのに、自分ができることはほとんどなく悔しい」と話した。

若者を中心に急速に広がっているという虚脱感や怒りの払拭(ふっしょく)に、専門家らは何より徹底した事件捜査と疑惑の解明が必要だと訴える。啓明大社会学科のイム・ウンテク教授は「社会制度に対し積み重なっていた不信感や、深刻化が進んだ両極化の問題が今回の事件をきっかけに表出した」とし、「根本的な解決をみずに事件が覆い隠されるようなことがあれば、挫折と怒りはより膨らむ可能性がある」と述べた。

報道を受け、韓国のネットユーザーからは「ニュースを見ているとムカついてきて落ち込む。出るのはため息ばかり」「その通り。最近はストレスがひどい」「一生懸命生きようという気力がなくなった」「なぜ僕らの方が羞恥心を感じなければいけないんだろう」「カースト制度そのものだよ。懸命に働いて順実一家にささげていたとは…」「恥ずかしくて外で韓国人と名乗れなくなった」「ヘル朝鮮(地獄のような韓国)に違いないのに、否定し続けた末に実態がばれたから余計に怒りがこみ上がる」「順実ショックと言うか、朴槿恵も共犯だろう。朴槿恵が退く姿を見れば、この4年の胃もたれもすっきりしそうなんだけどなあ」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/吉金)